キラキラと光を反射する鎚目模様が美しい、老舗鍋工房「姫野作.」の本手打アルミ行平鍋。
熱伝導に優れ、軽くて扱いやすいアルミ行平鍋は、日本料理を作るうえで欠かせない存在。料理人や一般家庭でも重宝される料理の基本とも言える片手鍋です。
大正13年の創業時から代々受け継がれてきた技巧が宿る、姫野作.のアルミ行平鍋は、見た目の美しさもさることながら機能性も抜群です。
国内に数人しかいない鍋の手打ち職人、姫野作.3代目・姫野寿一さんがひとつひとつ手打ちで作り上げる鍋は、手作りだからこその唯一無二の存在感を放つこだわり抜かれた逸品です。
降り積もる雪の結晶のように整然と並ぶ美しい鎚目模様。鍛金と呼ばれる技法で、アルミの板をひとつひとつ金槌で叩いた跡です。行平鍋の便利さの秘密は、その鎚目と呼ばれる表面の凹凸にあります。
叩く理由は2つ。
アルミは本来柔らかい素材ですが、均等に細かく叩き締めることで強度が増し硬く丈夫になるということ。
もう一つは、叩くことで鍋肌の表面積が広がるため熱伝導の効率が良くなり、より均一に熱が食材に伝わり料理がおいしくなるというものです。
2kgほどあるという金槌を使い、1つの行平鍋を作るのに約800〜900回叩いています。同じ力、同じリズム。1日に約2万回、多い時で約4万回鍋を叩いているそうです。
姫野さんが特に大事にしているのが鍋底の角の部分。熱を受けて上へ伝える部分と、一番衝撃が加わる所なので、この僅か1cmほどの曲面に4段槌目を入れて充分に叩き締めます。
プレス加工された鍋の場合、底の曲面は叩けないので鎚目が見られません。また、プレス自体に鎚目の柄が入れてあるので、槌目と槌目の間に隙間が見られます。
その分、手打ちの鍋はひとつひとつ手で叩いているので槌目間の隙間がなく、耐久性に優れた丈夫な鍋になります。何と言っても、同じ鍋でも鎚目の表情が違い、ひとつとして同じ鍋がないところも手打ちならではの魅力です。
底面の角が丸く胴が上に広がっているので液体が対流しやすく、煮物はもちろん、味噌汁やスープ作り、麺や食材を茹でたり、出汁取りなど幅広く活躍します。
姫野作.の行平鍋の特徴のひとつとして、板厚が3.5mmと厚く、アルミ製でありながらもしっかりとした重厚感があること。原料には先代から変わらず、地元大阪の老舗メーカーから仕入れている純度の高いアルミを使用しています。
薄めの鍋では、火が当たっている部分の温度が上がりやすく熱が不均一に伝わり、結果食材が焦げたりくっついてしまいます。
鍋に厚みを持たせることで、鍋全体に熱が柔らかく均一に広がるので、食材にムラ無く火が入り、より一層料理が美味しくなります。保温性にも優れ、煮物にもやさしく火が回り根菜はふっくら、炒り煮や煮ころがしなどの煮汁が少なく煮詰める料理も焦げつきにくくなります。
姫野さんのこだわりのひとつでもある行平鍋の取手。本体に取手をつけるための“座”と呼ばれる部品は、量産されたものとは異なり、1枚のアルミ板を柄に合わせるように筒状に丸めて溶接して作られています。
鋲を入れ本体と座の間の隙間を無くすように叩き、爪が入らないのを確認しピタリと密着させます。そこに木柄を打ち込み、穴を開けネジを締めて更に固定して完成です。
数々の業務用の調理器具や厨房機器を手掛けてきた姫野作.が作る鍋はとても強固で、中には50年以上に渡り愛用している方もいるほどの丈夫さを誇ります。
出番の多い定番の道具こそ、長く使える品質のよいものを。それが、姫野作.が選ばれる理由です。
見た目、耐久性、使い勝手、全てにおいて非の打ち所がない姫野作.の行平鍋。手間を惜しまずひとつひとつ丁寧に作られた鍋は何とも味わい深い手仕事ならではの趣が感じられます。
次第にくすんでくるアルミの表面。直接手が触れる白木の柄は、使い続けるうちに落ち着いた風合いに変化し、使い手と一生付き合える道具となります。
大阪府八尾市にて大正13年から続く老舗鍋工房「姫野作.」。創業当初はアルミ製品を中心に製造を行い、現在では銅とアルミを原材料にした、厨房機器、調理器具を主にモノづくりを行っています。
3代目・姫野寿一さんは、国内ではわずか数人となる希少な鍋の手打ち職人。代々受け継がれた技術で作る道具は、プロの料理人も愛用する逸品です。
「使い手と一生付き合える製品」という目標・願いを「姫野作.」の刻印に込め、ひとつひとつ手打ちで作り続けます。
![]() アルミ行平鍋 5.5寸 | ![]() アルミ行平鍋 6寸 | ![]() アルミ行平鍋 7寸 |
![]() アルミ行平鍋 5寸(深型) | ![]() アルミ行平鍋 6寸(深型) |