イメージは中(石灰)です
ひとつひとつ手挽きで作られた昔ながらの伊賀焼の土鍋。
自然の土の温もりを肌で感じることができ、取っ手部分のぽってりとした丸みはまるで耳たぶのよう。
底の釉のかかっていない荒々しい土の風合いに対し、トロリとした釉薬から素材の味わいの対比が楽しめ、この布袋鍋でお鍋を食べると不思議と身も心もほっこりするのです。
石灰と黒飴それぞれの釉は、和風・洋風どんな食卓にも馴染み、決して整っているとは言えない手挽きらしい“いびつ”で可愛らしい佇まいは食卓にぬくもりを添えてくれます。
使用しているうちに入る貫入や底裏の焦げも土鍋が味わい深く育っていく楽しみのひとつです。
イメージは小(黒飴)です
布袋鍋で食べる鍋は、食材の味がしみじみと体に染み渡り特別美味しいのです。
それは伊賀の土鍋の、ざらざらとした粗土に秘密があります。
かつて、琵琶湖の湖底だった伊賀の地。その地層には多くの生物や植物の遺骸が含まれています。その土を高温で焼成すると遺骸の部分が燃え尽きて細かな気孔のある素地が焼き上がります。
この「呼吸をする土」と言われるほどの粗土は遠赤外線効果が高く、食材の芯までじっくり熱を伝えてくれるのです。さらに土鍋自体が熱を蓄えてくれるので冷めにくく、火から下ろしたあともとろ火で煮込むようにして食材の旨みを引き出してくれるというわけです。
どちらも小(六寸半)黒飴
作陶すると手が痛くなるほどの粒子の粗い伊賀の土を、熟練の職人が丹念にこねて滑らかにし、轆轤にかけ、ひとつひとつ丁寧に成形します。型を使用せず人の手加減で作られているので、同じ種類の鍋でも「大きさ」や「形状」は違ってきます。
同じく小(六寸半)黒飴
焼き物は焼成時に、素地や釉薬に含まれる金属が酸素と結びついて色味や質感を変えます。同じ釉薬でも、窯内の空気の対流により、場所によって温度や還元の度合いが異なるため、「色合い」に差が出ることがあります。例えば石灰釉の場合、同じ窯内でも還元が強い(酸素が少ない)場所は青味がかり、弱い(酸素が多い)場所はピンクがかった発色になります。
天然の材料である粘土や釉薬には色々な成分が混ざっています。粘土の中に含まれる鉄が溶けて表面に噴出した「黒や茶色の斑点」。素地と釉薬の収縮差によって現れるヒビのような模様の「貫入」。焼成の際、素地の中にあった小石が割れ目を生じて表面に現れたりする「石はぜ」。窯から出した時に初めて分かる、質感や色合い。一つとして同じものはない、器の様々な表情や個性があります。
イメージは小(黒飴)です
使い始めの土鍋や水漏れする土鍋にお粥を炊き込む作業を目止めといいます。お粥を炊くことで米のでんぷん質が土鍋の細かい気孔や貫入(表面の細かなひび)を埋め、水漏れやひび割れを防ぎます。伊賀の土鍋は粗土を使用しているので、米の研ぎ汁ではなくお粥で目止めをします。
鍋には個体差があり、最初に目止めを行っても煮えが悪かったり、汁漏れすることがあります。その場合は、目止めの作業を何度か繰り返してください。
7回ほど使用(中 石灰)
初めは綺麗だった土鍋の底も、美味しい鍋を食べていくうちに、少しずつ貫入が入って味がでてきます。
土は呼吸する自然素材です。温める、冷やすの繰り返しの中で土鍋は膨張と収縮を繰り返します。貫入は素地と釉薬の収縮率の違いにより、少しずつ進んでいく自然な土鍋の姿です。
なので、熱々の鍋を急に冷やすと、急激な温度変化に土鍋の呼吸が追いつかなくなり、ひび割れや破損がおきてしまいます。使い終わった後は粗熱が取れてから洗い、しっかりと乾かす。使う時も、最初は弱火でゆっくりと土鍋を温めて負担がかからないように。
多少気を使う所はありますが、しっかりと手入れをして少しずつ変わっていく姿を見るうちに、さらに愛着を深めてくれます。
![]() | ![]() | |
![]() | ![]() |
![]() 大(一尺) 約W340×H110mm 4〜5人用 | ![]() 中(九寸) 約W310×H105mm 3〜4人用 | ![]() 小(六寸半) 約W215×H80mm 1〜2人用 |