機械の研究 2019年10月1日発売 第71巻 第10号
■著者一覧
芦田極 森田昇 伊藤義康 棚橋隆彦 酒井智次 堀田源治 石光俊介 狩野勝吉 酒井達雄 福田収一
■キーワード一覧
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株式会社養賢堂
雑誌紹介
- 本誌「機械の研究」は、1949年(昭和24年)、それまでの
- 機械工学の概念を脱却して、工学・工業の一環としての機
- 械工学に関する新しい研究と技術の進歩を提供する事をそ
- の主眼に創刊した月刊誌です。工学全般・工業に関連した
- 研究分野において、最新かつ重要な学理および興味深い研
- 究成果を平易に解説しています。
巻頭記事「柔軟切削工具を用いた硬脆材料の微細溝加工」
- 切削加工は幅広い加工スケールに対応でき、
高能率かつ高精度な除去加工として普及している。
加工精度を極限まで追求するために加工機械、駆動制御機構、工具など、
さまざまなアプローチでマイクロ・ナノメータスケールの切込み制御技術の研究がおこなわれている。
なかでも原子間力顕微鏡(AFM: Atomic Force Microscope)機構を利用したナノスケール切削では、
一般的な送り量を基準とした切込み制御に替えて、切れ刃に作用する垂直荷重を制御することで、
ナノメータスケールの切込みで切削加工をおこなうことができる。
硬脆材料である単結晶シリコンを被削材として、数十ナノメートルの切込み深さで、
割れや欠けをともなわない延性モード切削をおこなうことができる。
しかしながら、AFM機構では加工領域が最大でも100 ?m四方の領域に限定され、
また100 nmを超える切込み深さを付与することは不可能であった。
そこで本研究では、このAFMの荷重制御メカニズムをベースに、
柔軟なカンチレバー型工具を用いて深さ1〜10 ?mの単一溝切削加工を
おこなう切削加工システムを構築した。
切削加工では、一般に高剛性な工具ホルダが要求されるのに対し、
容易に変形する柔軟なカンチレバー型の工具ホルダを用い、変位センサでそのたわみを
測定、圧電素子を用いた微動機構によりたわみ量を一定にフィードバック制御することで
切込み量を一定に制御する。
この工具ホルダを一般の工作機械と同様の直交三軸ステージ駆動機構に搭載することで、
AFM機構と比べて実用に近いスケールの切削加工をおこなうことができる。
(産業技術総合研究所 製造技術研究部門 総括研究主幹)芦田 極
(千葉大学大学院 工学研究科 教授)森田 昇
版型
展望・総説・解説
連載講座
- パリ協定以降の世界と日本のエネルギー動向(19)
―再生可能エネルギー(地熱発電と地熱利用)の課題と展望 その1―/伊藤義康 - CFDの基礎講座(21)流路断面形状のトポロジー最適化 その2/棚橋隆彦
- 詳しく学ぶ ねじ締結の基礎(7)/酒井智次
- 産業安全工学(25)安全対策カテゴリー/堀田源治
- サウンドデザイン論(4)―音をデザインし製品価値を高めるには―/石光俊介
- データで学ぶ 超耐熱合金切削の基礎技術とトラブル対策(9)―旋削加工の基礎技術(1)―/狩野勝吉
- 機械構造用金属材料の超高サイクル疲労(20)―最初の国際会議 EUROMECH382(VHCF−1)前後の研究動向(16)―/酒井達雄
コラム:一杯のコーヒーから(153)
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