農家女性のグループ活動と生きがい 活き活きと暮らす中高年女性たち 半世紀のグループ活動から見えてきたこと 大槻優子 著

農村において、女性は家事・育児・労働の全てを担うことを求められ、
時間的にも経済的にも行動の自由は与えられなかった。

戦後、日本は産業も社会も家族も大きく変化した。
農業経営にも大きな変化が起こり、農村の生活は大きく変化した。
特に大きな変化が起こった点は、女性の地位であった。

農村の生活水準の向上を目的とした生活改善普及事業により、農村女性は
行動の自由を与えられ、地域内でのグループ活動を始めることができた。

農村の女性は何を生きがいとして日々の暮らしを送っていたのか、
今後は何を生きがいとするのかを考察する。また、農村の高齢化、
過疎化が急速に進む現状で、女性の活動が今後の農村を支える
可能性を検討した。
著者
版型
  • A5
ページ数
  • 216
目次
  • 序章 研究の動機と方法
  • 第1章「生きがい」の定義の検討
  •  第1節 生きがいをテーマをとする先行文献の概要
  •  第2節 本研究における「生きがい」の定義

  • 第2章 戦後日本の農業と農家
  •  第1節 農業経営
  •  第2節 農家生活と農家成員

  • 第3章 生活改善普及事業
  •  第1節 わが国における生活改善普及事業の成り立ち
  •  第2節 岩手県における生活改善普及事業の変遷

  • 第4章 農家女性に対する普及活動 ―岩手県を中心に―
  • 第5章 戦後の農家女性
  •  第1節 農家女性に関する先行研究
  •  第2節 農業に従事する農家女性
  •  第3節 農家女性の労働の変化
  •  第4節 農家女性の社会的地位

  • 第6章 生活研究グループ活動と生きがい―岩手県T地区を事例として―
  •  第1節 なぜT地区の事例なのか
  •  第2節 T地区における農業経営と家族役割の変化(1955年,1975年,1975年,2005年時の農業経営と家族役割)
  •  第3節 生活研究グループ活動と農家女性

  • 第7章 農家女性はどのように生きがいを築き上げたのか
  •  第1節 あらためて生きがいの定義と構造について
  •  第2節 T地区生活研究グループ農家女性の生きがい
  •  第3節 農家女性の生きがいに影響を及ぼす要因

  • 終章 いきいきと過ごす高齢化社会への展望
  •  第1節 各章で得られた知見
  •  第2節 高齢化社会における生きがいのある生き方への提言
  •  第3節 残された課題

  • あとがき
  • 文献