農業および園芸 2024年11月1日発売 第99巻 第11号

論説・総説・資料・実用
『豆腐に利用可能な多収ダイズ新品種「そらみずき」の育成』から

ダイズは豆腐などの日本の伝統的な食品に利用される重要な作物であるものの、2021年度のダイズの自給率は7%、食品用に限っても24%で、需要の大部分を輸入に依存している。

国内の育種選抜によりダイズの病虫害抵抗性や豆腐等への加工適性は改善されてきたが、収量は停滞傾向であり、多収品種の育成は喫緊の課題である。

農研機構では、フクユタカに莢のはじけにくい性質(難裂莢性)を導入した「作系76号」(後の「フクユタカA1号」)を種子親、米国の多収品種「UA4805」を花粉親として交配し、育種選抜を行うことにより、豆腐への加工利用が可能な多収品種「そらみずき」を育成した。

本報では、その育成経過や特性等について報告する。

農研機構 作物研究部門
加藤 信

版型

B5判

目次

口絵
季節の花〔176〕−11月の花 レウロタリス・マルタエ,サルビア‘ライムライト’,エドギク,ナリヒラヒイラギナンテン,ペリカンバナ,スダチ(実)
元 島根大学 生物資源科学部
細木高志

当面の話題
日本の森林から見える問題
編集部

論説・総説・資料・実用
野菜の生育中および収穫後のメラトニン処理の効果に関する研究
園芸研究家
三浦周行
ユニークな来歴のツバキ
園芸福祉研究所
九州大学名誉教授
松尾英輔
いもち病に強く高温登熟性に優れる良食味水稲「恵つくし」の育成
福岡県農林業総合試験場
高田元気
豆腐に利用可能な多収ダイズ新品種「そらみずき」の育成
農研機構 作物研究部門
加藤 信
満洲における果樹栽培と粟屋萬衛
常磐会学園大学
井上敏孝
千葉県のネギ圃場におけるネコブセンチュウ類の発生実態及び緑肥を活用した防除体系の実証
千葉県農林総合研究センター
中村耕士
横山とも子
鈴木健司
法政大学生命科学部
大井田寛
(公財)園芸植物育種研究所
福地信彦

連載記事
牛海綿状脳症(BSE)と特定危険部位(SRM)と肉骨粉・動物性油脂の取扱い状況[8]
―SDGs,SRM焼却処分,新たな利用方法の検討,肥料利用,飼料利用,燃料利用―
獣医師
技術士(農業−畜産)
博士(農学)
森山獣医師・技術士事務所代表
(一般社団法人)日本シニア起業振興機構(J-SCORE)理事
森山浩光
ブタの生殖バイオテクノロジー〔3〕ブタ卵母細胞の体外成熟(IVM)
信州大学名誉教授
辻井弘忠
保温折衷苗代の登場による稲作の著しい高位・安定化〔3〕
―わが国における稲作技術発展の革命的画期の嚆矢―
秋田県立大学名誉教授
川島長治

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