機械の研究 2023年9月1日発売 第75巻 第9号

巻頭記事
鉄道車両の車体弾性振動とその低減に関する研究開発(1)
「鉄道車両の車体弾性振動の実態」

鉄道車両は身近な乗り物で非常に多くの利用者をもつ一方、輸送用の機械としてみた場合、その構成・構造や工学的な取り扱いについてなかなかイメージしにくい対象のようである。すでに技術的に十分成熟してこれ以上の発展の余地が少ないようにみえる鉄道車両も、車体構造、走り装置、駆動や制動システム、安全性や保守性の向上など多くの点で進化を続けている。

これらを網羅的に解説することは筆者らの手には大きく余るが、乗客として鉄道を利用する際にもっともなじみ深いと思われる車体の振動や車内騒音の研究開発に携わる立場から、鉄道車両の車体弾性振動とその低減に関する研究開発について紹介する3回シリーズを企画した。

本シリーズでは、まず第1回として鉄道車両の構造と車体弾性振動の把握手法について概説し、実際の鉄道車両で観測される車体弾性振動の測定例を示す。また、車体弾性振動は鉄道車両の乗り心地に大きく関わるため、鉄道車両の乗り心地評価手法についても紹介する。第2回は、鉄道車両の車体弾性振動低減対策検討のために必要となる数値解析モ

版型

B5判

目次

展望・総説・総論
鉄道車両の車体弾性振動とその低減に関する研究開発(1)
鉄道車両の車体弾性振動の実態
秋田県立大学 システム科学技術学部 機械工学科 教授
富岡隆弘
鉄道総合技術研究所 車両技術研究部 車両振動研究室
相田健一郎
連載講座

生体機械工学(1)
細胞に対する力学場の影響
工学院大学 工学部 機械工学科 教授
橋本成広
光ファイバー型赤外線輻射温度計の設計製作から計測まで(5)
光ファイバー型3色温度計の基本構造と特性
金沢大学 名誉教授
上田隆司
応用力学基礎講座(10)
Maxwellの方程式の微分形式表示と電磁場の保存則
慶應義塾大学 名誉教授
棚橋隆彦
自然環境と再生可能エネルギー(4)
太陽光発電と小水力発電の着実な普及に向けて
明治大学 再生可能エネルギー研究インスティテュート 客員研究員
飛田春雄
機械構造用金属材料の超高サイクル疲労(57)
7. VHCF-5〜VHCF-7の10年間の研究動向(10)
立命館大学 名誉教授
酒井達雄
カルマンフィルタとその周辺および応用(17)
確率システムの制御(4)
立命館大学 名誉教授
杉本末雄
大阪大学大学院工学研究科 特任准教授
和田光代

特別講座:機械系大学院入試問題演習
(39)制御工学:東大2022年夏季実施より
神奈川大学 教授
江上 正

コラム:一杯のコーヒーから(200)
22世紀は人間の時代
元 Consulting Prof., Stanford Univ
慶應義塾大学 顧問
福田収一

歴史に学ぶ 「機械の研究」
第8巻 第1号 掲載 特集 「内燃機関」―液体燃料ロケット機関
編集部

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