吊り橋の原理から生まれた
快適な座り心地
セイルチェアは、優れたデザインを最小限の素材で実現した革新的オフィスチェアです。一見して目につくメッシュ状の背もたれは、全体がサスペンションになり体重を支えてくれます。また、Y字状のタワーと背もたれからなる構造は、フレームを必要としないため軽量で、体格に関係なく簡単に移動させることができます。独創的な設計は、吊り橋の構造をヒントに生まれました。
セイルチェアは、ハーマンミラーが自社の特徴である「美しいデザイン、人間工学、洗練された設計、環境への配慮」を兼ね備えた、手頃な価格帯のワークチェアの開発を、イブ・べアールに依頼し生まれました。彼は多くの人に最高のものを、それも手頃な価格で届けることを考え、自らのホームタウンであるサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジにインスパイアされたチェアの設計を思いつきます。幾多の素材と構造を経て完成したチェアは、帆船に似たフォルムとY字の構造からSail(帆)の一文字を「Y」へと置き換えたSayl Chairと名付けられました。
「吊り橋の原理を応用したチェア」というコンセプトを実現するためにイブ・べアールは実機での試作を繰り返しました。ベアールはこのプロセスを次のように述べています。「描いて、作って、壊して、を繰り返した末に、独特の製品を生み出すことができました」
セイルチェアの、フレームがないメッシュ状の背もたれは、それ自体が伸縮することでサスペンションの役割を果たします。座る人の身体や動きに合わせて、幼稚や仙骨をサポートするインテリジェントサスペンションは、ユニークな素材と成形方法によって実現しています。
セイルチェアの名前の一部となっているY字のタワー構造は、脊椎のカーブに合わせてしなり、自然なカーブ描く姿勢を維持できるようサポートします。この構造によって最小限の素材を用いながら最大159kgの体重を人間工学的にサポートすることが可能になっています。
セイルチェアの素材にはPVCが含まれておらず、完全にリサイクルが可能です。柔軟性のあるエラストマーによるサスペンションバックと、Yタワーが可能にしたフレームレス構造によって、使用する素材の量は少量で済み、製造や輸送にかかるコストが安く、環境の負荷が低いチェアとして知られています。
プロダクトデザイナー、イヴ・べアールは分野を横断して独創的な設計のプロダクトを世に送り出してきました。セイルチェアをはじめとした、工学的でありながら同時に有機的でもあるデザインは「デザインとは、未来を示すだけでなく、わたしたちを未来に連れて行くもの」という彼の言葉を裏付けるものです。
ヒューレットパッカード、東芝、イッセイミヤケ、ビルケンシュトック、アップルなど世界的な企業とのコラボレーションを続ける彼は世界的に評価され、クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館の主催によるNational Design Awardなど多数の国際的な賞を受賞しています。2004年にはサンフランシスコ近代美術館とスイス、ローザンヌの工芸・デザイン美術館 ( MUDAC )の2か所で個展を開きました。
ハーマンミラー社 オフィスチェアのキャスターについて
ハーマンミラー社のオフィスチェアには2種類のキャスターがあり、以下のような違いがあります。