本書の課題は、公害・環境問題の見地から20世紀ロシアにおける社会主義近代化プロジェクトの実施過程とその帰結を政治経済学的な視角で分析することにある。特に、かつては「無主地」(terra nullius)と呼ばれたが、ソ連の計画経済機構の下で世界のエネルギー生産基地の一角を占めるにまで登りつめたシベリアに焦点を当て、社会主義工業化の名の下で進められた後背地の近代化プロジェクトの実像を明らかにする。第I部では、「現存したソ連社会主義」の公害・環境問題に関する先行研究の批判的検討を経て、その趨勢をエコロジー近代化 論の枠組みで概観した後に、社会主義工業化の一環として大規模な近代化プロジェクトが実施されたシベリアに焦点を当て、その長期的な発展過程を開発と環境の両面から検証する。続いて、第II部では、シベリア南部のバイカル湖流域の環境汚染を取り上げる。その実態を確認しながら、最大の汚染源として設立当初から批判され、数十年にわたり操業の是非が論じられてきたバイカリスクセルロース・製紙コンビナートの動向を中心に検討する。附録として、巻頭にはロシア全土の環境汚染状況を俯瞰した3枚のカラー地図(1・・・
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