ボルドー最高のロゼワインとして、世界のワイン愛好家が無条件に脱帽する、シャトー・ラフィット・ロートシルト。その伝説の酒を醸し続け、磨き続けている、あの名門ロスチャイルド家が、南米チリで、改めて大いなる歴史への挑戦を始めました。
彼らがチリ中の銘醸地を踏査し、無数のワイン生産者の中から厳選に厳選を重ねて選び出した、いわばダイヤモンドの原石―それがロス・ヴァスコスに他なりませんでした。ロ・ヴァスコスのあるラペル地域コルチャグア地区ペラリージョ区は、チリでも最も古い葡萄栽培地域のひとつで、中でも、太平洋から40kmに位置するカニェテン盆地は、三方を山々に囲まれる独特の微気候で知られます。日中は暑く、夜間は晩から吹き始める海風のために涼しいというその気候の中で、葡萄は理想的に完熟します。ロス・ヴァスコスは、2200haに及ぶこのカニェテン盆地のすべてを単独所有しています。
ロス・ヴァスコスの創業は1750年、チリに移住したバスク系のスペイン人エチェニケー族によって、その礎が築かれました。「バスク人たち」という意味のロス・ヴァスコスの名は、そこから生まれました。以来240年、ロス・ヴァスコスは、チリを代表するワイン生産者として、また19世紀半ばには、最も早くフランス系葡萄を植え付けたチリワインの改革者の一人として、確固たる地位を築いてきました。そして1988年。その輝ける伝統に新たな流れを生み出すべく、フランスのロスチャイルド家が、偉大なパートナーとして出現したのです。ロスチャイルド家が、このロス・ヴァスコスを選んだ最大の理由は、その土壌と微気候の優秀さにありました。さらにその土地に植えられた樹齢の高い、しかもフィロキセラに侵されていない素晴らしい葡萄樹たちも魅力でした。葡萄の樹というものは、樹齢が高くなるにつれて、一層素晴らしい実りを結んでくれるものなのです。
これらの恵まれた条件がもつ利点を最大限に生かすため、シャトー・ラフィットでは、ロス・ヴァスコスの品質面の最高顧問として、本家ラフィットのディレクターであるG.ロクヴァム氏を送り込むという思いきった人事を断行。このチリワインの最高峰を、世界の最高峰のレベルに引き上げるべく、畑から醸造、貯蔵に至るまでの徹底的な改革を実施しました。こうしてロス・ヴァスコスの歴史は新たなステージを迎えたのです。