| 1978年、舞台はイギリス、権威あるワイン雑誌「デキャンタ」が主催するブラインド・テイスティングで彗星の如くあらわれたイタリアンワインがありました。 名だたる世界各国のワイン達をおしのけ、堂々のベスト・カベルネの座を獲得したのです。それこそが「サッシカイア」。 ノミネートされたワインは11カ国33ワイン、その中には、かのシャトー・マルゴーもありました。当時、イタリアでカベルネ・ソーヴィニヨンをメインにしたワインというたけでも珍しかったのに、この事実がワイン業界を震驚させたのは言うまでもありません。この事件こそが、今やイタリアンワインの代名詞となった“スーパー・タスカン”ムーブメントの幕開けなのです。 | | | 高いポテンシャルをうちに秘めながらも、ひっそりと自家用にワインを造っていたマリオに代わって、経営を引き継いだニコロ。彼はこのワインを商売にしようと考え、名醸造家のジャコモ・タキス氏をワインメーカーに迎えた。そして、1968年ヴィンテージは待望の初リリースをむかえました。 その10年後、イタリアワイン史上に残る大事件が起き、前述のとおり一躍脚光を浴びたサッシカイアだったが、イタリアDOC法で規定外のボルドー系ブドウ品種を使用しているため、当時の位置づけは上級と認められないテーブルワインとされていました。 しかしながらこのDOC法にとらわれず、独自の道を突き進み、その後のトスカーナワインに多大なる影響を与えました。 サッシカイアにならって、ボルドー系品種をしようして造られるワインは、サッシカイア同様に「スーパー・タスカン」と呼ばれ、さらにサッシカイアは「ボルゲリ・サッシカイア」としての独自のDOC昇格を果たしたのです。 | | | 今日、スーパー・タスカンを代表するワインのひとつとされる「SOLAIA(=ソライア)」や、「ORNELLAIA(=オルネライア)」は、サッシカイアの成功にあやかってつけられた名前です。――“AIA(アイア)”とはイタリア語で、庭や作業場となる“場所”のこと―― このように、サッシカイアの影響をうけて誕生した多くの「スーパー・タスカン」。しかし、彼らが一時のムーブメントで終わらず、今なお多くのワインラヴァーを惹きつけるのは、頂点に立つサッシカイアの輝きがあってこそなのです。 | | | | グラッパ・バリーリ・ディ・サッシカイア
サッシカイアのワイナリーから新鮮なまま運ばれたワインの滓を、ポリ蒸留所で蒸留し、ワインのサッシカイアの熟成に使ったバリックで一年間熟成させて出来上がります。 新鮮なままサッシカイアのワイナリーからカベルネ・ソーヴィニヨンと少量のカベルネ・フランの滓を蒸留所に運び、現在稼動しているものの中で最も古いタイプで、1898年の蒸留所設立時に造られた銅製の蒸留器の大釜で、じっくりと3時間かけて2回単式蒸留を行います。蒸留のたびに、葡萄滓を手作業でいれなおさなければならず、大変手間がかかります。 4年間フレンチオークで熟成させた後、さらにサッシカイアワインの熟成に使用した樽(225L)で1年間熟成させます。 | | | 1898年、ジョヴァッタ・ポリ氏によってヴェネツィアの北西にある、グラッパ生産の中心地、パッサーノ・デル・グラッパの近くに位置する、風光明媚なスキアヴォン村に設立された蒸留所。設立以来、ポリ一族によって100年以上、4世代に渡って引き継がれてきたこの蒸留所は、優雅な高品質グラッパの蒸留のために技を磨いてきました。 | | |