K23AK_RZ_77 2023年 室伏ワイナリー(共栄堂)(ロゼワイン 日本)

小林剛士さんお得意の多品種ブドウから造られるまぜこぜワインのロゼ。なのですが、不思議なことにこのワイン、飲んでいるうちに「あれっ、白? いやいや、薄めの赤だっけ?」とちょっと分からなくなるのです。
それはロゼ、白、薄めの赤、それぞれの風味&飲み心地を持つからで、一本で3つの美味しさを楽しめるという優れもの。飲む人の感じ方次第で変幻自在!
そのうえ、食事との相性も抜群。自由に軽やかに、気負うことなく楽しめて、しかもきっり美味しい。これぞザ・テーブルワイン!
うま味が多く、フルーティでやんわり&ゆる〜としているのに芯がある。だから美味しさがブレないし、おまけにエキス分もたっぷり。
そして猛暑だった2023年ヴィンテージものとは思えないキリッと効いた酸が気持ちよく締めくくってくれます。
酸化防止剤無使用なのに不安定さは皆無! とはいえ、抜栓当日に飲み切った方が良いかもしれません。

※亜硫酸無添加のため、クール便での配送を強くお勧めいたします。
室伏ワイナリー




室伏(むろふし)ワイナリーは日本ワインの品質を向上させた重要人物の一人である小林剛士さん(通称つよぽん)が2021年に山梨市牧丘町室伏に立ち上げた、最大生産規模15万本のキャパシティを持つ中規模ワイナリー。

小林さんは四恩醸造時代の2007年頃に衝撃のゆるうま〜ワインを恐らく日本で初めて造り、日本ワインの新たな魅力を大いに広めた方。そういった点で間違いなく先駆者のひとりである。

そんなカリスマ的人気を博してきた小林さんが、日本ワイン界を活性化し、さらに発展させるために新たな挑戦の場として選んだのが、高品質なワインを造る中規模ワイナリーを興すこと。

日本ワインを健全に広めるには「誰もが簡単に入手できて、しかも美味しい」というワインの存在が重要だが、現状ではあまりに少ない。優良生産者のワインは高品質だが生産本数が少なく、常に入手困難。一方で入手しやすい中規模生産者のワインは、一概には言えないもののイマイチ(以前から品質に全く進歩がない)なものも多く、そのうえ温度管理がされていない卸問屋経由で町の酒屋さんで扱われていたりする。

そういうワインを愛好家は買わないし、一般の方が飲んでも美味しいワケがない。その一方で、つよぽん印の美味しいワインがいつでも簡単に手に入るということは、希少性がなくなるということでもある。しかし彼に迷いは一切ない。日本ワインを健全に広めるために自分がやるべきことを果たすのみ、と覚悟を決めているのだ。

小林さんが目指すのは究極のテーブルワイン。若い人やワイン入門編として飲んでもらうことが大切なので、飲み心地が柔らかくスッ〜と飲めてしまう、いわゆる飲みやすいもの。そして、これはワインを飲み慣れた愛好家が求めるものでもある。

価格の安さに徹底的にこだわるのも若い人たちに気軽に飲んで欲しいからで、この信念はワイン造りをスタートさせた時から全く変わっていない。

室伏ワイナリーは自社畑のブドウと栽培農家からの買いブドウを全て混ぜて使う。それはどちらのブドウも同等に高品質なので分ける必要がないから。どの品種をどのようにブレンドして目指す味わいを引き出すかは小林さんの腕の見せどころであり、これぞセンスが光るところ。

そして、ブドウの買い取り価格も相場より高く設定している。それは少しでも長く栽培農家を続けてもらうためでもあり、ワイナリーと栽培農家は全くの同等という考えから来るもの。小林さんはその年に出来たワインを栽培農家の方へ真っ先に送る。彼らに美味しいと納得してもらえない限り、良いブドウが育つはずがないからだ。

彼の考えの根本にあるのは「自分は農夫である」ということ。これは盟友でもある小山田幸紀さん(ドメーヌオヤマダ)と全く同じ考えで、彼らはともにペイザナ農業法人の理事であり、ブドウだけではなく米や野菜、果樹、養鶏なども手掛けている。


◆小林剛士◆

商品情報

1976年生まれ。山梨大学を卒業後、勝沼の老舗ワイナリーに入社し栽培を担当。その後、横浜市にある四恩学園が2007年に山梨市牧丘町にワイナリーを立ち上げる際に強く乞われ栽培・醸造長に就任。

小林さんがワイナリーのあらゆる企画を立ててオープンさせ、ほぼ一人で切り盛りしていた。ちなみにその当時から新しい発想、柔軟な発想を持ち、良い意味で過去のものをぶち壊すことを厭わないという考えの持ち主。

とはいえ人柄は至って温厚で、良い人オーラを振りまいている。そんな彼が生み出したのが「ゆるうま〜」という恐らく日本で初めてのワインのスタイル。四恩醸造初期にすでにその味わいを完成させ、一躍大人気生産者のひとりとして知られる存在に。四恩醸造退社後の2016年には共栄堂を立ち上げ、委託醸造にてワイン造りを続けてきた。

そしてついに機は熟した!とばかりに2021年に室伏ワイナリーをスタートさせ、現在に至る。







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