マディラ マルムジー10年 ブランディーズ
甘味果実酒(ポルトガル:マディラ島)
品種:マルムジー
タイプ:甘口/フルボディ
アルコール度数:19%
容量:500ml
輸入元:マディラジャパン(株)
澄んだ濃い金栗色。グリーンがかったエッジ。木樽、ドライフルーツ、トフィー、スパイスの香り。デザート、特にフルーツ、リッチなチョコレートプディングやチーズと良く合う。夏は少し冷やしてのサーブがおすすめ。
24〜26℃に管理されたスチール製のステンレスタンクで自生酵母を使用して発酵。2日後にグレープスピリッツを添加。3ヶ月間エストゥファ方式(人工加温熟成)で熟成中に熱を加え、アメリカンオークで約3年間の樽熟成を行う。
ブランディーズ社は1811年にブランディー家により設立された家族経営のマデイラワインメーカーで、2011年に設立200周年を迎えた。マデイラワインのリーディングカンパニーとしてイギリス市場での地位を確立し、2世紀に渡りファインワインの生産を続けている。 リッチなスタイルが特徴で、世界中のワインコンペティションでもその品質の高さを認められている。
ブランディーズのブランド名は、1807年にイギリス駐屯軍の指揮官としてマデイラ島に来た、ジョン・ブランディから名付けられている。 彼は、ナポレオンによる攻撃から島を守るためにマデイラに配置され、その時にマデイラワイン貿易に対する興味を持ち、1811年に一般貿易業者としてマデイラ島に定住した。ジョンの息子チャールズは父のビジネスを続け、1852年の悲惨なウドンコ病の被害の間にも、島にある大量の古いワインを買うという先見を持っていた。その結果、現在もすばらしいマデイラワインを販売し続けることができている。
またチャールズは、1840年にフンシャルの“ブランディーズワインロッジ”を購入した。その建物は17世紀のフランシスコ修道院別館の一部であり、ブランディー家がワイナリーとして改装し、200年の間何世代もがそこでワインを造ってきた。 ワインの生産とボトリング作業が、同じくフンシャルのより近代的で最新の施設に移動した一方、“ブランディーズワインロッジ”は、ブランディーズ全プレミアムワインの自然熟成過程の保管庫として使用され続けている。またこのロッジは、年間約200,000人が訪れる、ブランディーズの素晴しいワインの名所でもある。
ブランディー家はマデイラワイン貿易の黎明期から続く創業者として現在も精力的に会社経営を行っている唯一の家族である。マデイラ島での長い歴史の中で、ブランディー家はマデイラワインの発展に重要な役割を担い、1811年に遡る伝統を守りながら2世紀に亘り今日もマデイラ島で生活し続けている。2008年より、ワインメーカーのフランシスコ・アルブケルケはインターナショナルワインチャレンジで“フォーティファイドワインメーカー・オブ・ザ・イヤー”を3年連続受賞した。 これはブランディーズにとって、群を抜く素晴しい評価である。
ブランディーズのマデイラワインは最先端のワイン醸造技術を使うと同時に、古きよき伝統も大切にしている。ワイナリーでは葡萄を厳しく選果、プレスし皮と果汁を分ける。 発酵は温度管理されているステンレスタンクの中で行われ、グループスピリッツの添加によって発酵を止める。全てのプレミアムワインは伝統的なカンテイロシステム(太陽による天然の熱でワインが温められる方法)で熟成される。ティンタ・ネグラは、エストファと呼ばれるワインを温めるタンクで人工的に熱が加えられる。独自の研究の結果ブランディーズでは、エストゥファは45度以上にならないように温度を管理して4か月〜4か月半温めている。
基本の白品種セルシアル、ヴェルデーリョ、ブアル、マルムジーの4つの白高貴品種は全て樽熟成される。フンシャルのワインロッジにあるカンテイロでは、初めの数年は最上階の一番熱い場所に樽を置いて熟成を行い、ワインの状態をみながら階下へと移動しながら熟成を継続させ、最終的には1階の比較的涼しい場所ヘ移動させて熟成を終わらせボトリングする。どういった場所でどれくらいの期間熟成させるかによって味わいが変わってくるので、ブランディーズでは「カンテイロがテロワール」である、と考えている。