フォーク・ミュージック――七つの歌でたどるボブ・ディラン伝 書籍

ディランの想像力を刺激した音楽を最もよく理解している書き手による独創的な書物
――『ニューヨーカー』
長編探偵小説のような文化批評であり、音楽的なラヴストーリー
――『Rolling Stone』(2022年のベスト・ミュージック・ブックに選定)

 ロック・ジャーナリズムの巨匠によるディラン研究の集大成
 ディランの創造的・文化的発展の全体像、七つの楽曲を軸にディランの軌跡を語りつつ、アメリカという国とその歌の歴史に向けた省察をも織り込んだ、濃密かつ豊穣な書物。
 ディランが自らの楽曲を書き始めたとき、そこに新たな命を吹き込んだ伝承歌の系譜も本書のなかで生き生きと甦る。ディランの楽曲について語るとき、どうしても言葉が反復的になりがちだが、著者はじつに新鮮な視点をもたらしている。ディランの音楽の源流に関する深甚な知識を、誇示することなく、押しつけがましさもなく披露する。
 たとえば、“風に吹かれて”は、ディランが21歳のときに書いた曲だが、じつは“No More Auction Bloc
2025年7月