力学の基礎
本書は大学1年次を対象とした力学の教科書として書かれている.しかし,大学初年級の力学で扱う内容は,実は高校物理とほとんど同じである.異なっているのは,得られる結果が公式として与えられるか,運動方程式から導くか,という点である.1年生の中には物理は暗記科目であると思っている者もいるかもしれない.この問題にはこの公式,あの問題にはあの公式を当てはめればよい,という考えは物理学の基本的な考え方とは異なる.1つのやり方がどんな場合にでも使える,そういう方法を見つけ出すのが物理学である.われわれが大学の講義を通して学んでほしいと考えていることは,物理学(他の科学も同じである)は,少ない原理(仮定)から出発してより多くのことを説明できるように作られている,ということである.ここで習う力学に関しては,出発点は運動方程式である.そして,これまで公式として学んできたことが,どのように運動方程式から導かれるか,ということを学んでほしい.
一方,運動方程式から結果を導くための手段は数学である.自然は数学とい
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