ヤバいBL日本史 (祥伝社新書 679)

BLは日本史の表街道である BL(ボーイズラブ)、すなわち男同士の恋愛や性愛が描かれた作品は、近年のエンタメ業界で存在感を高めている。 こうしたBL作品を理解するうえで欠かせないのが、「妄想力」を土台とする「腐の精神」だ。 そして、これは突然変異で生まれたものではなく、日本の歴史に脈々と受け継がれてきた精神であると著者は言う。 本書は、『古事記』から『万葉集』『源氏物語』『雨月物語』といった古典文学や史料を題材に、「腐」を軸とした鮮やかな解釈で、新しい歴史観を提供するもの。 院政期に男色ネットワークが築かれた本当の理由や、男色の闇にあった差別と虐待の精神史など、これまで語られてこなかった日本史の本質を描き出す。 ↓目次 第一章 BL抜きには語れない古代文学 女目線の性の世界 第二章 王朝文学はBL的性愛と疑似恋愛の宝庫 第三章 性でつながる中世の貴族と僧侶 女を排除した性と政 第四章 稚児愛から芸能人愛へ 室町・戦国時代の男色 第五章 「両性愛」と「ガチ男色」 江戸時代の男色世界