訪問看護ステーションの開設・運営ガイドブック: ここから始める

訪問看護ステーションで難しいのが、開業の“その後。毎年、新規開業数の約3分の2にあたる数のステーションが休止・廃止している。「開業したはいいが…」とならないために、健全な事業所運営に成功している実践者の経験から、開設・運営の必須知識と実務のポイントを解説する。 【はじめに】 訪問看護制度は、1991年に今後増加する高齢者の在宅ケアを支えるために高齢者を対象に創設されました。1994年には、医療保険の対象である難病や小児をはじめとする障がい者やがんの末期の方など、年齢に関係なく在宅ケアすべての方を対象とし、さらに、2000年の介護保険制度の創設とともに、介護保険の対象者も含まれ、医療制度改革による在宅医療の推進において、訪問看護ステーションは、地域包括ケアシステムの医療サービスの中核を担う役割を期待されています。 全国の訪問看護ステーション数は、2000年の介護保険創設時には、4 730箇所でしたが、2012年に6 298箇所、2020年には11 931 箇所に増加しています。特に2012年の診療報酬・介護報酬のダブル改定で在宅医療の推進が掲げられ、増加数が伸びています。一方、訪問看