優れたリーダーはアドバイスしない
【著者からのメッセージ】 はじめまして、小倉広です。 私は、年に300回の企業研修に登壇し、毎年1万名を超えるビジネスパーソンに対して「マネジメント研修」を提供していますが、近年、管理職やチームリーダーから「どうやって、部下やチームを育成・指導したらいいのかわからない」という相談を受ける機会が増えました。 多くの方々は、「一方的に指示・教示・命令する」スタイルでは、部下の自発性を損ねるうえに、場合によっては「反発」を受けることに気づいていらっしゃいます。 そして、部下を傷つけないように、言葉を選び、トーンに配慮しながら、丁寧な「アドバイス」にとどめるように工夫されている方が増えているように思います。しかし、それでもうまくいかないと言うのです。 しかし、私には、これは当然の帰結だと見えます。 なぜなら、どんなに「アドバイス」というオブラートにくるんだとしても、その陰にひっそりと隠れて「暗在」しているメッセージを、部下は敏感に察知しているからです。 一般的にアドバイスはこのような言葉で語られます。 「そういう場合は、こうした方がいいよ」 この言葉に一切「否