子育て罰 「親子に冷たい日本」を変えるには (光文社新書)

「子育て罰」をなくすか、子どもを日本からなくすか――。少子高齢化が加速する日本において、出生数の回復は急務であるにもかかわらず、日本は先進諸国に比して家族関連社会支出が極端に少ない。本書では「子育て罰」を「社会のあらゆる場面で、まるで子育てすること自体に罰を与えるかのような政治、制度、社会慣行、人びとの意識」と定義。親子につめたい「子育て罰大国・日本」を「子どもにやさしい国」に変えるための方策を、子どもを守るために戦う教育学者と社会福祉学者が提言する。 目次 ◆はじめに ◆第1章「子育て罰」を作った3つの政治要因 末冨 芳 1・1 本書における「子育て罰」の定義 1・2 「子育て罰」を生み出してきた政治の3つの課題 1・3 場当たり主義の政治:児童手当と教育の無償化の迷走 1・4 子ども・家族への少なすぎる政府投資 1・5 子どもを差別・分断する制度 ◆第2章「子育て罰」と子どもの貧困 桜井啓太 2・1 「チャイルド・ペナルティ」を「子育て罰」と訳した理由 2・2 「子育て罰」と「子どもの貧困」の関係 2・3 働いているのに貧しい日本のひとり親世帯 2・4 本当に怠惰なのは誰か