月着陸船開発物語
当時の最先端技術を結集させたアポロ計画の中でも月着陸船の開発は困難を極めた。巨大なサターン・ロケットや司令船は、それまでのマーキュリー計画、ジェミニ計画で培った技術の発展型、応用版ともいえるものであるが、月着陸船の開発はそれまでどこにもなかったもので、まさにゼロからのスタートであった。しかも、度重なる仕様変更や重量軽減、さらにコスト、時間との闘いに苦しめられた。本書は“月着陸船の父”と呼ばれ、最盛期3 000人余の開発チームを率いたグラマン社の若きチーフエンジニアが完成までの全工程を詳細に書き記したメモワール。