汎計画学: ソヴィエト・ロシア篇
計画に基づき配置された人々、インフラ、それを可能にするテクノロジー。ソヴィエト・ロシアの「五カ年計画」は資本主義諸国をも魅了した。20世紀の夢が実現したように見えた時、政治・文化の諸局面におけるどのような内的力学があったのか。イデオロギー闘争から建築現場まで、ロシアにおける計画の世紀を精緻にスケール大きく描く。 【主要目次】 0.「汎計画学」への序 I 前衛の立ち位置 「包囲された砦」 規律とガヴァナンス:軍事というメタファー II 革命の生政治 科学と技術の「前線」 interlude: 唯物論と普遍主義 「プロレタリア文化」の所在 労働の機械化と身体の管理(ビオメハニカ)の諸問題 III インフラ・カルト 計画家トロツキー 線=Goelroから面=Gosplanへ 「経済学の消滅」? 均衡のユートピア IV 芸術からのエクソダス アヴァンギャルドの諸水系(リゾーム) 境界線上のウスタノフカ 生産主義の臨界 V 生産と消費:反弁証法的展開 NEP期の諸風景(カレイドスコープ)――計画論の余白に ブイト 「社会のコンデンサー」 VI 計画の王国の逆説 前夜 「計画の王国」