戦争と人類 (ハヤカワ新書)

人類は戦争を生みだしたのではない。受け継いだのだ。だからこそ、やめることができる?? チンパンジーの群れが繰り広げる苛烈な殺し合いから、約一万年前のアフリカで勃発した「人類最初の戦争」、核兵器の発明と使用、そしてドローンなど様々な最新技術が実戦投入されたロシア・ウクライナ戦争まで。文明の進歩に伴って急速な変化を続けてきた戦争の歴史を一冊に凝縮。その発生と激化の普遍的なメカニズムを解明し、その廃絶のためのビジョンを示す。 解説:池田嘉郎(東京大学大学院人文社会系研究科西洋史学研究室教授) 「いかに戦争をうまく進めるか、そして防ぐか。この問いが人類史の主要な動力であった。戦争の歴史を振り返るということは、世界史を圧縮して描くことである。軍事史と世界史の両方をよく知る書き手だけが、納得のいく見取り図を示すことができる。いま読者が手にしている本は、まさにそうした見取り図にほかならない。数千年の歴史を踏まえた叙述であればこそ、本書は現在を理解し、将来を見据えるためにも力となってくれる。戦争という、不安や混乱と不可分である現象を前にして、私たちが落ち着いた足取りを取り戻すための手がかりを与えて