サステナビリティの経済哲学 (岩波新書 新赤版 2027)

経済学は複雑な現実をより総合的に捉え、より広い社会的公正を促進する方向に進化できるか。宇沢弘文を継ぐゲーム理論と情報の経済学の大家が、利己的動機や評判の形成といったアプローチのドグマをあばき、サステナビリティの視点から「新しい資本主義」と「新しい社会主義」というシステム構想を披露する。 目 次  はじめに 第1章 大義の経済学  1 私利私欲から大義へ  2 見えざる手を超える  3 サステナビリティ  4 SDGs(持続可能な開発目標)  5 コモンズの悲劇  6 オストロムの原則  7 センの笛  8 官僚主義と民主主義  9 グローバルコモンズ  10 新しい資本主義、新しい社会主義  11 サステナビリティとスピリチュアリティ 第2章 ドグマをあばく  1 経済学教育とサステナビリティ  2 オークションと貧困  3 VCGメカニズムと収奪  4 反ドグマ的ドグマ  5 プログラム化と自律性  6 トリアージと生産性  7 介護問題とサステナビリティ 第3章 新しい資本主義  1 大義のプラットフォーム  2 世界観としての企業文化  3 契約の束から社会的責任へ