リスキリングは経営課題〜日本企業の「学びとキャリア」考 (光文社新書 1245)
「リスキリング」とはひらたく言えば、業務上の技術や専門スキルを新しく獲得すること、そしてそれを企業が従業員に促進することである。DX(デジタル・トランスフォーメーション)とあわせて普及しつつあるこの言葉は、「生涯学習」「リカレント教育」などと同じく、広く大人の「学び直し」と捉えられる。しかし、残念ながら日本の社会人のほとんどは、学びへの意欲が極めて低い。統計データからも、大人が世界一学ばない国であることが明白だ。これは決して個人の「やる気」不足のせいではなく、日本企業の働き方やキャリアの「仕組み」に起因する。大人の「学びの貧困」を解消するために必要な構造改革とは何か。幅広い調査データや学術知見を基に、日本企業がリスキリングを通じて生まれ変わる方法を提言する。 ◎目次 まえがき 第1章 「リスキリング」の流行とその課題 【補論】「スキル明確化」という幻想──氾濫する「うまくやる力」はどこへいくのか 第2章 「学ばなさ」の根本を探る──「中動態的」キャリア論 第3章 「変わらなさ」の根本を探る──変化を抑制するメカニズム 第4章 リスキリングを支える「三つの学び」 第5章 「工場」から「