日本の少子化対策はなぜ失敗したのか? 結婚・出産が回避される本当の原因 (光文社新書)

もっと早く、せめて 団塊ジュニアが結婚、出産期に入るまでに 手が打たれていれば…… 欧米の慣習や価値意識をモデルの前提としてしまった 日本の若者の本音に目を向けず、切実な現実をスルーした お金がかかることには動きが鈍く、触れたがらない政府 【内容】 「1・57ショック」(1990年)から30年もの間、出生率が低迷している日本。 当然の結果として、21世紀に入り人口減少が始まっている。 欧米人からは「なぜ日本は少子化対策をしてこなかったのか」と驚かれる。 一方、アジアの国々の人からは「日本のようにならないためにはどうすればよいか」と聞かれる。 日本を反面教師としようとしているのである。 家族社会学者である著者は、日本の少子化対策が事実上失敗に終わっているのは、 未婚者の心と現実に寄り添った調査、分析、政策提言ができていなかったからだと考える。 具体的には、欧米に固有の慣習や価値意識をモデルの前提にし、 日本人に特徴的な傾向・意識、そして経済状況の変化を考慮しなかったのである。 本書では失敗の原因を分析・総括するとともに、 日本特有の状況に沿った対策は可能なのかをさぐる。