さいごの色街 飛田 (新潮文庫)

人間の性むき出しの街で懸命に生きる人々。 取材期間十二年。傑作ルポ、待望の文庫化 「おにいちゃん、遊んでいってや」 客引きのおばちゃんの手招きで、男が一人、また一人と店に上がる。 大阪に今なお存在する「色街」飛田。 経営者、働く女たち、客、警察、ヤクザらの生の声に耳を傾け、 「中」へと入り込んだ著者が見たものは、 人間の性むき出しの街で懸命に生きる人々の姿だった。 十二年にわたる取材により、一筋縄ではいかないこの街を活写したルポルタージュの傑作。 目次より はじめに 第一章 飛田に行きましたか ある日の飛田/普通の男/「神技」のよう/二十分間の疑似恋愛/ 「不倫するより健全」/エリートサラリーマン/百五十回行った男/ 「当たり前」だった時代/無礼講OK/男友達に上がってもらう/老人ホームの車を見た 第二章 飛田を歩く 飛田への道/抱きつきスリ/大門と嘆きの壁/「料亭」と「鯛よし百番」/ 飛田の“外”意識/「おかめ」のマスター/深夜の「おかめ」にて/ 語ってくれたおねえさん/飛田料理組合/菩提寺 第三章 飛田のはじまり 市会議員の汚職/反対運動と、知事の「置き土産」/大門と開廓当初