現代思想 2021年11月号 特集=ルッキズムを考える
「見た目」をめぐる倫理を問う 近年「ルッキズム(外見に基づく差別や偏見)」という言葉が急速な広がりを見せている。本特集では「見た目」をジャッジする暴力の問題を、レイシズムなど様々な差別とのかかわりとともに、また美をめぐる私たちの欲望の両義性や、視覚中心的な社会のあり方などについても問い直しながら、広く深く検討することを試みたい。 [目次] 特集*ルッキズムを考える 【討議】 外見に基づく差別とは何か――「ルッキズム」概念の再検討 / 西倉実季+堀田義太郎 【交差し複合するルッキズム】 「障害があるように見えない」がもつ暴力性――ルッキズムと障害者差別が連動するとき / 飯野由里子 ルッキズムとレイシズムの交点――「ハーフ」表象をめぐる抑圧と対処 / ケイン樹里安 移住家事労働者から考える、「らしさ」の境界線 / 小ヶ谷千穂 キャスター・セメンヤと大坂なおみとルッキズム――黒人女性アスリートのジェンダーとセクシュアリティ / 山本敦久 「どんな見た目でもいいじゃない、LGBTの人たちみたいに」 / 森山至貴 可視化か不可視化か――トランスジェンダーのパスの経験におけるジレンマ /