奇跡のバックホーム (幻冬舎文庫)
新章「2度目の闘病」と、鳥谷敬氏による「解説」を新たに収録。 絶望に立ち向かう姿に誰もが涙した、感動の実話 「横田、野球の神様って、本当にいるんだな」 ――鳥谷 敬 (元阪神タイガース) 「横田、センターに入れ! 」 1096日ぶりの出場となった引退試合で見せた プロ野球人生最後のプレーは、いまだ語り継がれている――。 ドラフト2位で阪神タイガースに入団。 将来を嘱望されたが、プロ4年目に脳腫瘍に侵され、 18時間に及ぶ手術の後には過酷な闘病が待っていた。 絶望と苦しみの日々の先に見えたものとは 感動の自伝ノンフィクション。 【本文より】 「横田くん、言いにくいんだけど、大きな病気です」 「野球のことは、いったん忘れてください」 僕にとってそれは、死刑を宣告されたのに等しいといってもよかった。 暗い気持ちになると同時に、腹が立ってきました。 「なんでおれが……。どうしておれが野球を取り上げられなきゃならないんだ 」 野球ができなくなったら、これから何をすればいいんだろう―― そんなことまで考えながら、ほとんど眠らずに朝を迎えました。 打球は見えていませんでした。 ボールが二重に