困難な成熟
2016/11/27 日経新聞書評 ーー成熟はほんとうに困難なのである。そんな真実を痛感させてくれる味わい深い良書だ。(福岡伸一) 14歳から読みたい、自由と勇気の人生案内 「文庫版あとがき」を追加して、話題の書、待望の文庫化です。 ひとつ目の問いはこうでした。 「責任を取るということは可能でしょうか」 僕の答えはシンプルです。 「不可能です」 以上、おしまい。シンプルですよね。 でも、どうして責任を取るということが不可能なのか、 その理路を語るためには、 ずいぶん長いお話に付き合ってもらわなければなりません。 トイレに行きたい人は今のうちに、 コーヒーなんか飲みながらのほうがいいなと 思う人は今のうちにお支度をどうぞ。 さて、用意はよろしいですか。では、話を始めます。 ――(本文より) 目次 第1章 社会の中で生きるということ 責任を取ることなど誰にもできない 正義が成り立つ条件 ルールとの折り合いをつける フェアネス(公平・公正)とは何か 日本を変えていくには 第2章 働くということ 労働とは不自然なものである 組織の最適サイズ 会社とは「戦闘集団」である 「やりた