忘れえぬ女性、向田邦子「もしかしたら私は、あの人の不幸について書いてきたのかもしれない」あの『触れもせで』の感動をいま1度向田邦子の中には2人の才女がいた。与謝野晶子と山川登美子である。1人は髪が乱れるのも怖れず、目を輝かせて奔る女であり、いま1人は引っ込み思案で、どうしても人を傷つけることのできない伏目がちの女であった。そんな2人の女をこっそり胸の中に抱えていたから、みんなに好かれ、頼りにされ、いまでも暖かく思い出されるのだ。これは向田邦子の幸せである。しかし、最後まで2人の女のどっちにもなれなかったのが、向田邦子の人生の不幸だった……。――あとがきより【向田邦子】昭和4年、東京に生まれる。実践女子専門学校国語科卒業。昭和27年、雄鶏社に入社、『映画ストーリー』編集部で活躍。昭和35年に同社を退社後、放送作家となる。テレビドラマ『時間ですよ・昭和元年』『寺内貫太郎一家』など、プロデューサー久世光彦氏とのコンビによるヒット作を次々に生みだした。昭和55年、『思い出トランプ』などにより第83回直木賞受賞。翌56年8月、台湾旅行中に飛行機事故で急逝した。
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