G.Haverkate RAILROAD TO SOBIBOR

G.ハーフェルカイト 「RAILROAD TO SOBIBOR(ソビブルへの鉄道)」
編成:テナーリコーダー ピアノ伴奏付き スコアA4判6頁 パート譜挟込み 
Jazzを基調とした軽快なリコーダー曲で私たちを楽しませてくれる現代オランダの作曲家G.ハーフェルケイト。コロナ禍の下でも旺盛な創作活動を続ける彼の近作「ソビブルへの鉄道」。鉄道がテーマなので、旅をする高揚感や車窓に流れる景色の美しさ、軽やかな列車のリズムなどをJazzyに表現しているかと思いきや・・・ 予想と全く違う、テナーリコーダーの静かなメロディーとピアノ伴奏のゆったりとしたリズムの曲です。鍵は、この列車の目的地「ソビブル」。ソビブルはポーランド東部の小村。第二次世界大戦当時、この村にはナチスの強制収容所がありました。その収容所からの数少ない生還者の一人、ジュール・シェルビス氏の体験を基に書かれたのが本曲なのです。シェルビス氏は多くのオランダ系ユダヤ人と共にアムステルダムからソビブルへ鉄道で送られます。乗せられた貨車の中に渦巻く、錯乱、絶望、反目。過去の思い出と未来への恐れ。そこに、車輪のがたがたとしたリズムが通奏低音のように響きます。作曲家自身が“初めて書いたシリアスな曲“という約3分程の本曲には、同胞の悲惨な体験への深い想いが感じられます。