■テクニカル情報■
産地:ポルトガル北部デュリエンセ地方ドウロ・スーペリオール地区
品種:古樹のフィールド・ブレンド(多品種の混植)63%、トゥリガ・ナショナル22%、トゥリガ・フランカ15%
Alc:20%
醸造:ラガールとステンレスタンクで48時間発酵させ、アルコール77%のブランディを添加し酒精強化(ブドウの糖分のおよそ半分がアルコールに変わったタイミングで蒸留酒を添加して発酵を止め、最終的に果汁80%ブランディ20%の割合にする)。シーズニングした大樽で18ヶ月熟成。澱引きせず無濾過で2019年5月に瓶詰。
残糖量:110g/L 生産量:3,600ケース。
■2017ヴィンテージ情報■
2017年は、凝縮感、濃厚さ、ストラクチャーのどれを取っても見事な年で、ドウロでは秀逸なポートワインが作られました。この年は、雨の少ない乾燥した年で、房は小ぶりながらも濃縮し、極めて低収量ながらも秀逸なクオリティを持つブドウが収穫されました。例年よりもブドウの生育が早く進んだ年で、収穫の始まりも記録的な早さとなりました。2017年は、2016年に続き、シミントン家が初めてポートの生産者となった1882年以来、初めて2年連続でヴィンテージ宣言(10年に数回ある程度の極めて優れた年であることを宣言するもの)が出された特筆すべき年となりました。
★パーカーポイント94-96 ポイント
比較的親しみやすい味わいで、ワインの持つ凝縮感に相応しい硬質で引き締まった味わいが実に印象的だ。チャールズ・シミントンも言うように、エレガントなワインで全体的にはやや抑制の効いたスタイルながらも、実に見事なストラクチャーを備えている。穏やかなタンニンがワインの果実味とミッドパレットをしっかりと下支えしている。空気に触れるにつれて次第に発展してゆき、スワーリングすると、すぐにフレッシュで鮮やかな果実味が表れる。美しく滑らかなテクスチャーも感じられる。この年のワレのヴィンテージ・ポートは、ダウに引けをとらない見事な仕上がりで、2016年のワレよりも素晴らしく、独自の魅力が備わっている。近年で最高のヴィンテージ・ポートの1つである。比較的親しみやすいが、まだ飲み頃は迎えていない。≪飲み頃:2025-2067年|2019/7/12掲載≫
★ワインスペクテーター97 ポイント
豊潤で官能的な味わい。プラムソースやブルーベリー、ラズベリーのフルーツ・ペーストの風味が美しくクリーミーなテクスチャーを伴って滑らかに広がる。菫の花やアニス、紅茶の魅惑的な香りが背景に感じられ、とろけるように滑らかな後味を生む。柔らかく煌めくような果実味に深みのある味わいと骨格の良い酸が美しいバランスを与えている。生産量3,600ケース。≪飲み頃:2035-2055年|2019/12/31掲載≫
★ワインエンスージアスト90 ポイント
幾重にも折り畳まれた黒果実の重層的な果実味とフレッシュな酸を持つ円熟したフローラルなワイン。重厚なワインでありながら、エレガントで静謐な味わいを兼ね備え、タンニンと果実味は既に見事なバランスを呈しており、比較的早熟なポートであることを示している。≪飲み頃:2025年以降|2019/12/31掲載≫
★ジャンシス・ロビンソン18/20 ポイント
円熟したピュアな黒果実を感じさせるダウのヴィンテージ・ポートよりもフレッシュな香り。黒スグリの紅茶の甘い香りに仄かなダークチョコレート、チョコレートでコーティングしたフレッシュなブラックチェリーや黒スグリのような香り。ワインが開くにつれてフローラルなニュアンスを増し、より広大で豊かな味わいへと発展してゆく。タンニンは腰があり、キメの粗さよりもチョーキーな質感が際立つ。丸く深みのある味わいで、余韻の長いドライな後味が広がる。実に豊かなフルボディ。≪飲み頃:2030-2057年|2019/5/23掲載≫