繊細で軽やかながらピノ・ノワールらしい赤系果実が楽しい!
マルサネの中でも良質の粘土が厚い畑3区画(0.6ha)のアッサンブラージュ。
モレ・サン・ドニの名門、マニャン家は、収穫したブドウを協同組合に卸しブドウ栽培だけを手掛けていたのを、4代目のミッシェル・マニャン氏が、1967年に独立し、ブドウの栽培からワインメイキングまでを一貫して行う、ドメーヌとしてのワイン造りを始めました。現在は、ミッシェル氏の息子フレデリック氏が運営を任され、5代目当主として高品質なワインを造っています。
1995年、フレデリック氏は理想とするワインを造るため、父が造り上げたドメーヌスタイルではなく、敢えてネゴシアンという立場を取って、自身のワインを新スタイルで造り始めました。フレデリックは毎日畑に出て自分の足で条件に合った畑を探し出し、所有者と交渉するということを10年以上繰り返してきたため、全てのブルゴーニュの畑、区画、そして所有者を熟知しています。
「マルサネ クール・ダルジール」は、マルサネの中でも良質の粘土が厚い畑3区画(0.6ha)のアッサンブラージュで造られる赤ワインです。細かく砕けた石灰岩が地中に多く含まれていて典型的なマルサネの土壌と言える。醸造はステンレスタンクで自然発酵後、古いバリックに入れて19ヶ月間熟成後、アッサンブラージュして6ヶ月休ませてから出荷。繊細で軽やかながらピノ・ノワールらしい赤系果実が楽しい。
Frederic Magnien Marsannay Coeur d'Argile
フレデリック・マニャン マルサネ クール・ダルジール
生産地:フランス ブルゴーニュ コート・ド・ニュイ マルサネ
原産地呼称:AOC. MARSANNAY
ぶどう品種:ピノ・ノワール 100%
アルコール度数:13.0%
味わい:赤ワイン 辛口 ミディアムボディ
■2021年ヴィンテージ情報■
テロワールが美しく表現されたクラシック・ブルゴーニュを思わせるヴィンテージ
繊細でピュアな果実が素晴らしい
ダメージからの回復
暖かい冬が過ぎた後、3月末には気温が25℃近くまで上がり、ほぼ夏のような気候が訪れました。この気温で芽吹きは一気に加速しました。しかし、そのすぐ後の4月5日から8日にかけて大幅に気温が下がり、マイナス8度を記録。せっかく芽吹いた新芽は、霜によって大きな被害を受けました。その後も各地で雹害が起こりました。4月から5月にかけては降雨量が多く、ダメージを受けた葡萄が回復するのに時間がかかってしまいましたが、その後は温暖で乾燥した気候が訪れたおかげで、6月初めには葡萄の成長の遅れを取り戻すことができました。
そして、6月下旬から8月下旬にかけてはまた雨が多く降り、涼しい日々が訪れたため、病害が多く発生しました。9月の収穫まで一切気を抜くことはできませんでしたが、私たちは根気強く対処にあたりました。
気候に恵まれたヴェレゾン期
目まぐるしい天候の変化が私たちを悩ませましたが、悪いことばかりではありませんでした。8月中旬にはそれまでの天候とは打って変わって、北からの風が相まって乾燥し、太陽が降り注ぎました。素晴らしい条件の下でヴェレゾンが進んでいったのは、2021ヴィンテージにおいて大きな恵みになりました。
9月はまた雨が多かったですが、毎日丁寧に葡萄を観察することで、適切なタイミングで収穫を行うことができたことに満足しています。
テロワールが尊重されている
選果は総勢40人の手によって、3台の選果台に分けて厳しく行われました。厳しい選果を行うことは、ただでさえ少ない収穫量をさらに減らすことになり、平均して収穫量は50%減となりました。しかし、納得のいく品質を得るために、私たちは躊躇しませんでした。
結果的に、生産量は減ったものの、造り上げたワインは素晴らしいものになりました。
テロワールが尊重されていて、アルコールは極端に上がっていない。強さというよりもしなやかさを備えており、ピュアな果実が美しく表現されています。久々に、クラシックなブルゴーニュらしいヴィンテージに仕上がったことに、私たちは満足しています。近年のものと比べても比較的すぐに楽しむことができるヴィンテージです。この美しいワインたちをぜひ楽しんでください。