『算数授業研究 No.152』【編集後記】
4月上旬。6名になった新算数部で合宿を行った。合宿の目的は,今年度の校内研究での算数部の提案をどうするかを考えること,すなわち,研究を進めるために行うことである。研究テーマは,「違いを編む知性」。研究企画部の青山先生から「違いを編む授業の具体」「編まれた知性とは何か」の具体例を持ち寄るように,宿題を課されていた。
ただ,私はどうしても「知性」という文言が気になり,実践のことが考えられなかった。「算数で育みたい知性」が明確にならないと,具体例など考えられなかったのだ。だから,宿題のことはさておき,私の考える「算数で育みたい知性」をまず最初に提案させていただき,算数部のメンバーと議論させていただいた。議論を通して,まだ曖昧ではあるが,「算数で育みたい知性」が見えてきた。
フラットに議論ができる6名の算数部に頼もしさも感じた。合宿を通して研究の「幹」がしっかりしてきたので,「違いを編む知性」の研究は促進すると感じた。
「算数好きな子どもを育てる」もまさに「幹」だと思う。教育改革により,様々なキーワードが出てきているが,「算数好きな子どもに育てる」という「幹」がしっかりしていなければ,何をやっても無駄になってしまうだろう。
そんな思いから,「算数好きな子どもに育てる」と題し特集を組み,今一度,算数教育の「幹」に向き合いたいと考えたのである。そして,経験豊かな先生方にご執筆いただいたのである。
本誌が,算数好きな子どもに育てることの一助になると信じてやまない。そして,丁寧に編集作業をしていただいた,石川夏樹氏に感謝申し上げる。
(大野 桂)