すべての子どもが参加できる体育授業にするために、本書では10の視点で「しかけ」を紹介しています。そのしかけとは、「(1)取り除く」「(2)分ける・減らす」「(3)ゲーム化する」「(4)たとえる」「(5)比べる」「(6)間違える」「(7)選ぶ」「(8)合言葉にする」「(9)補助する」「(10)合わせる」です。
第1章では、このしかけの使い方や考え方を解説します。「しかけ」を授業に取り入れることで、どのようなメリットが考えられるのか、どのような使い方を想定していて、どのような順番で考えていくと子どもたちの学びにつながるのかわかります。
第2章では、「しかけ」を使った体育授業の具体事例を10の視点それぞれから解説します。さまざまな領域での具体例から、明日の授業や次の単元でそのまま使っていただいてもいいですし、それらの実践例をヒントに新たな使い方を考えていただいてもいいです。
紙面は、見開きで1つの具体実践例となっています。左ページには、ありがちな失敗場面を、右ページには「しかけ」を使った成功場面をイラストでわかりやすく示しています。
最後に、第3・4章では、最初にUD体育における「しかけ」を、特別支援教育や学級経営という視点から、その意味について解説します。そして、より詳しく「しかけ」を取り入れた授業の流れがわかるように、単元全体がイメージできるような解説としました。単元目標、単元の概要、教材の意図、子どもの教師とつまずき、つまずきとしかけという流れで解説しています。子どもたちが笑顔で学ぶ体育授業となることに少しでもお役に立てたら、執筆者一同幸いです。
ユニバーサルデザインに関心のある先生
体育授業をよりよくしたい先生
特別支援教育を究めたい先生