月刊 初等教育資料2024年7月号

特集I:学校における安全教育の充実

小学校の安全教育の目標は、「『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育」(文部科学省平成31年3月)において、「安全に行動することの大切さや、『生活安全』『交通安全』『災害安全』に関する様々な危険の要因や事故等の防止について理解し、日常生活における安全の状況を判断し進んで安全な行動ができるようにするとともに、周りの人の安全にも配慮できるようにする。また、簡単な応急手当ができるようにする」と示されています。
安全教育の推進に当たっては、各教科等において年間を通じて指導すべき内容を整理して、学校安全計画に位置付けることにより、系統的・体系的な安全教育を計画的に実施することが求められ、その際、家庭や地域社会との連携及び校種間の連携を図っていくことも重要です。
そこで本特集では、「学校における安全教育の充実」をテーマに掲げ、学習指導要領に基づく安全教育に関する解説及び、安全教育推進のポイントに関する論説に加え、5本の事例を示すとともに、座談会において安全教育を推進していくためのポイントを整理します。

特集II:学習指導要領における指導のポイント[特別活動]

多様な他者と協働して、共感的な人間関係や豊かな学級・学校文化をつくる特別活動
特別活動は、学習指導要領「第6章 特別活動」の目標の柱書に書いてあるように、様々な集団活動に自主的、実践的に取り組み、互いのよさや可能性を発揮しながら集団や自己の生活上の課題を解決することを通して、資質・能力を育成することを目指す教育活動です。学級や学校における様々な集団活動の実践を通して、多様な他者と関わる中で、多様性に気付き、認め合い、共感的な人間関係を築いたり、よりよい生活づくりに主体的に参画したりするとともに、楽しく豊かな学級や学校の文化の創造にもつながっていきます。
具体的なポイントとして、多様な他者の価値観や個性を受け入れ、助け合ったり協力し合ったりして、共感的な人間関係を築こうとする態度や、集団や社会の形成者として、多様な他者と協働して、集団や生活上の諸問題を解決し、よりよい生活をつくろうとする態度などを育むことが求められます。学級活動を基盤として、児童会活動やクラブ活動、学校行事の充実を図ることにより、楽しく豊かな学級・学校文化がつくられ、それにより各学校の特色ある教育活動が展開されるのです。
そこで本特集では、多様な他者と協働して、共感的な人間関係や学級・学校文化をつくる特別活動について、その考え方や、具体的な実践例等について示していきます。

読者対象:幼稚園教員・保育士・小学校教員