新しい算数研究2024年6月号
今月号は,資質・能力ベイスの授業づくりの課題と展望がテーマです.その課題として,「資質・能力の育成を保障すべく教育課程をいかに構築するか」を視点とし,その中でも能力ベイスの単元の在り方に焦点を当てました.資質・能力が一単位時間で育成できるものではないことを考えると,単元の存在は極めて重要な要素です.単元を固定化されたもの,すでにあるものと捉えずに,「資質・能力の効率的な育成が図られている単元となっているのか?」,「算数科の本質足る,少なく教えて多くを学ぶ単元となっているのか?」といった視点から見直す必要があります.そこで今月号は,教育課程における現状の課題や展望を明らかにし,資質・能力ベイスの単元づくりについて語った論説,それを具現化しようとした事例,その事例をもとにした座談会と,これからの単元の在り方について誌上を通して考えを深めていく構成としました.本号が能力ベイスの授業づくりの具体的な改善につながり,資質・能力の効率のよい育成を目指した単元づくりや授業実践の一助となることを願っています.