●景徳鎮の手描き磁器
景徳鎮では1800年ほど前に陶器、1600年ほど前に磁器の生産が始まります。元のフビライ・ハーンの時代、二度の元寇の間にあたる1278年、全国唯一の皇室御用達の磁器を扱う浮梁磁局が置かれます。以降、磁器生産の中心として新しい磁器の技術の研究開発を進め、多くの逸品を生み出してきました。こちらの斗彩のベースとなる青花と呼ばれる紺色の絵付けをした磁器は、元代に生まれ、明清の時代に最高潮を迎えます。貿易においても重要な産品となり日本はもちろん欧州やアフリカにも広く輸出され、中国を代表する磁器となりました。
現在も景徳鎮といえば、高級品の代名詞、他の生産地にくらべ、一回り高値となることが多く、長年質の高い磁器を作り続けた匠人たちの作り上げたブランド力といえるでしょう。
●斗彩瓜果杯
斗彩というのは明代に始まった技法で、まずは釉下彩として青花の線画を描き、1300度程度の高温で焼成した後、釉上彩として顔料を用いて二度目の色付けを行って800度ほどの低温で仕上げます。明の成化年代のものが最も優れているとされており、清朝に入っても康熙、雍正、乾隆年間の官窯でもすぐれた作品が生み出されています。
こちらの杯は伝統的な技法に従って作られたもので、底款には大明成化年製とあります。もちろん骨董という意味ではなく、名作の生まれた時代や制作者に敬意を表しつつ、昔に倣うという意味で書かれたものです。杯全体が青みを帯びた色合いで、薄手に作られた磁器。蔓や実が描かれており、家の繁栄を象徴した吉祥画となっています。よく見ると青花の部分は釉薬の下にあり、緑や赤は釉薬の上から描くため少し盛り上がっているのが確認いただけます。
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※中国茶早わかり
中国茶をあまり知らない方のため、当店で商品をお買い上げの方すべてに中国式のお茶の淹れ方や茶器を紹介したリーフレットを同封しています。はじめての方や贈り物にされる方もご安心ください。
サイズ 径81×高40mm
容 量 容量50ml(満水95ml)
製造地 中国江西省景徳鎮市