易経 上 (岩波文庫 青 201-1)
◆商品名:易経 上 (岩波文庫 青 201-1)
易・書・詩・礼・春秋の五経の第一にあげられる古典で、周代に大成されたから周易ともいう。宇宙・人生のすべてを陰陽=爻(こう)の変化によって説明し予言する書物として、東洋思想の根幹をなす哲学書でもある。今日の易学はこれを祖述したものだが、難解なこの書物を一般の読者にも十分味わえるよう懇切な解説を付した。■内容紹介一、本書は、儒教の基本的経典である『五経』のひとつに数えられる『易経』(周易)の原文と、その文語訳(書き下し文)ならびに口語訳である。一、原文については、底本としてもっぱら阮刻十三経注疏本を使用した。ただし繋辞伝以下の各伝、いわゆる十翼の分章および繋辞上伝第九章前後の錯簡については朱子『周易本義』の説を採用して整理を加えた。一、原文の文字は、経典の旧を保つ意味からすべて旧漢字を使用した。なお原文の後註に示した文字の考異は、主として阮元の『周易勘記』から抄録したものであるが、必要と思われる範囲において盧文勘『経典釈文』を参照補足し、また程頤『伊川易伝』および朱子『周易本義』の説若干条を補記した。一、文語訳(書き下し文)は、おおむね江戸期から慣用の訓読法に従ったが、平易を主眼とする立場からなるべく現代語に近い訓み方、仮名による漢字の書き換えに工夫を試みた。……なお漢字は主として当用漢字を使用し仮名の部分は現代かなづかいに従って表記した。一、口語訳は、厳密な意味での逐語訳であるよりは、原文の理解を助ける目的からかなりの註釈的・説明的なことばをまじえた意訳の体裁に従った。表現が簡潔で含意の深刻な『易経』のような古典を読者の理解に近づけるためには巳むを得ぬ措置と考えてのことである。なお解釈に当たっては最も多く程頤・朱子など宋学系統のいわゆる義理易の説に拠ったが、その他にできる限り古今諸儒の説を渉猟参酌して、その中から最も理解し首肯しやすい一説を採った。(凡例より)