大乗仏教―ブッダの教えはどこへ向かうのか (NHK出版新書 572)

◆商品名:大乗仏教―ブッダの教えはどこへ向かうのか (NHK出版新書 572)
仏教学の第一人者が、対話から大乗仏教の本質に迫る!般若経、法華経、華厳経、浄土教、密教……。自己鍛錬を目的にした釈迦の仏教は、いつ、どこで、なぜ、どのようにして、衆生救済を目的とする大乗仏教へと変わったか・そして、その教えはどこへ向かおうとしているのか・別冊NHK100分de名著集中講義 大乗仏教を大幅改訂し、大乗仏教一五〇〇年の常識を覆す大乗起信論問題の〓末を新たに書き下ろした、究極の仏教概説書。【目次】はじめに第一講 釈迦の仏教から大乗仏教へ・大乗仏教はお釈迦様直伝の教えではない・・自分を救いの拠り所と考えた釈迦の仏教・外部の不思議な力を拠り所と考えた大乗仏教・お釈迦様の生涯と仏教誕生のプロセス・仏教拡大の理由とは・・部派仏教が仏教の多様性を生んだ・論理的に正しければ、それは釈迦の教えである・大乗仏教の最終目標はブッダになること・世界には何人ものブッダがいる・・会えないブッダに会うための方法を考える第二講 般若経──世界は空である・大乗仏教の最初の経典・私たちは前世ですでにブッダと出会っている・善行で輪廻は止められるのか・・お釈迦様が説いた空・世界の構成要素すらも実在しない・となえなさい、書きなさい、広めなさい・空の概念を証明した龍樹・多くの人を救う神秘という力第三講 法華経──なぜ諸経の王なのか・日本の宗派に影響を与えた諸経の王・すべての人々を平等に救う一仏乗・方便としての初転法輪・三車火宅の喩・ただひたすらにお経のパワーを信じなさい・死んだふりをしたお釈迦様・大乗経典は加上して作られていった第四講 浄土教──阿弥陀と極楽の誕生・なぜ浄土教は日本に広まったのか・・時間軸ではなく空間軸の広がりに注目した・菩薩修行に最も適した仏国土──極楽浄土・仏道修行で世界を変えた阿弥陀仏・南無阿弥陀仏をとなえるだけでいい・浄土教のもととなった『阿〓仏国経』・目的が悟りから救われることへと変わった・宗教に正しいも間違っているもない第五講 華厳経・密教──宇宙を具現するブッダ・『華厳経』の象徴である奈良の大仏・菩薩行を説く十地品と入法界品・一は即ち多であり、多は即ち一である・宇宙そのものを具現化した毘盧遮那仏・鎮護国家と結びついた経典・『華厳経』と結びついて教義を確立した密教・自分が仏であると気づくことが大切第六講 大乗涅槃経・禅──私の中に仏がいる・インド仏教衰退の謎・変容を許したことで仏教はアイデンティティを失った・すべての人は生まれながらに仏性を持っている・一切衆生悉有仏性を説いた大乗『涅槃経』・自分の中にいるブッダに気づく・禅とは信仰ではなく修行である・臨済、曹洞、そして黄檗・侘び寂びと質素は別もの第七講 大乗仏教のゆくえ・日常の生活のすべてが修行である・律を取り入れなかった日本の仏教・鈴木大拙と日本仏教・すべての宗教はこころ教に一元化されていく・本物の宗教とは一人残らず幸せにすること補 講 今も揺れる大乗仏教の世界──『大乗起信論』をめぐって・フェルマーの最終定理が証明されるまで世親二人説が仏教哲学研究の発展を生んだ・『大乗起信論』の作者は馬鳴ではない・望月信亨と宇井伯寿の論争・百年の難問を解いた二つの鍵・『大乗起信論』パッチワーク説が与える影響おわりにかえて──仏教とは何かを知ること