民主主義とは何か (講談社現代新書 2590)
◆商品名:民主主義とは何か (講談社現代新書 2590)
トランプ大統領をはじめとするポピュリストの跋扈、旧社会主義諸国および中国など権威主義国家の台頭など、近年の世界の政治状況は、民主主義という制度の根幹を揺るがすかのような観を呈しています。日本の状況を見てみても、現行の政権が民意の正確な反映、すなわち民主主義的な政権だといわれると、頸をかしげる人も少なくないのではないでしょうか。はたして民主主義はもう時代遅れなのか・ それとも、まだ活路はあるのか・それを議論するためには、まず何よりも、民主主義とは、そもそもどのような制度なのかを正しく知らなければならないでしょう。今では自明視されている民主主義という制度ですが、人が創ったものである限りそれもまた歴史的な制度として、さまざまな紆余曲折を経て現在のようなものになったのであって、決して自然にこのようなになったわけでではないのです。そこで本書では、ギリシア・アテナイにおける民主主義思想の誕生から、現代まで、民主主義という制度・思想の誕生以来、起こった様々な矛盾、それを巡って交わされた様々な思想家達の議論の跡をたどってゆきます。その中で、民主主義という制度の利点と弱点が人々にどのように認識され、またどのようにその問題点を改良しようとしたのか、あるいはその改革はなぜ失敗してしまったのかを辿ることにより、民主主義の本質とは何なのか、そしてその未来への可能性を考えてゆきます。またあわせて、日本の民主主義の特質、その問題点についても分析してゆきます。民主主義という思想・制度を知るための、平易な政治思想史の教科書としても最適です。