特撰大吟醸 笹屋茂左衛門(桐箱入り) 720ml
◆酒質: 大吟醸
◆原料米・麹: 山田錦、越淡麗
◆原料米・掛米: 山田錦、越淡麗
◆精米歩合: 38%
◆日本酒度: +1
◆酸度: 1.2
◆アミノ酸: 0.8
◆アルコール度数:16度
◆おすすめ飲用温度帯:常温、冷酒
◆製造元:白龍酒造(阿賀野市)
特撰大「吟醸 笹屋茂左衛門」は、
白龍の蔵を築いた笹屋茂左衛門
の酒造りを守り、
越後杜氏が冬の寒中に
雪に埋もれる蔵の中で
丹精込めて手作りで醸した
大吟醸の中の大吟醸酒です。
酒米の最高品種「山田錦」と
「越淡麗」を38%に高精白し、
米の芯だけを贅沢に使い、
低温でゆっくりと醸した酒の、
芳醇な香りとあくまでも
淡麗なその最上級 の匠の味を
ご賞味いただけます。
「特撰大吟醸 笹屋茂左衛門」は、
モンドセレクションで
19年連続して金賞を受賞している
白龍酒造最高峰の大吟醸です。
2016年には、モンドセレクションで
最高の賞「最高金賞」を、
2006年より13年連続(通算14回)
受賞しました。
世界に認められた味と
品質をぜひご賞味ください。
2020年11月5日発表
第91回 関東信越国税局 酒類鑑評会
「吟醸の部」「純米吟醸の部」で優秀賞を受賞!
白龍酒造株式会社
特撰大吟醸笹屋茂左衛門」は、モンドセレクションで既に金賞を
14回も受賞している銘酒です。
杜氏】山川譲(やまかわ・ゆずる)
{大正13年生まれ。昭和24年、国税庁醸造試験所に入所。
その後、各地で酒造りに携わる。
全国新酒鑑評会、関東信越国税局新酒鑑評会で金賞多数。
新潟県杜氏会会長などを歴任。
平成2年に「現代の名工」として労働大臣賞受賞、
平成7年に黄綬褒章受賞、平成18年に「にいがたの名工」受賞。}
を白龍酒造の杜氏として迎え入れた後、
彼はそのいわば「完成された酒」を1から見直し、
この酒を、単なる「金賞」から「最高金賞」を
6年連続で受賞するまでに引き上げました。
黄綬褒章を受賞し「現代の名工」とまで言われ、
越後杜氏の頂点に登りつめたその男が、
現役の杜氏として最年長の87歳(記事内容は2011年現在)になった今でも、
なお「持ち続けているこだわり」とは何なのか?
妥協を許さず、「理想の水」を探し求める
山川:私が一生涯をかけてこだわり続けているのは「水」なんです。
酒の原料というと「米」を思い出しますが、米ばかりじゃない。
実は、「水」が大事なんです。
なにせ、原料の約85%は水でできておりますからね。
どんな「水」を使うかは、酒蔵のノウハウだと思います。
私は杜氏になったときから、この「水」に魅せられ惚れぬいて、
「理想の水」を探し求めてきました。
でも、簡単に水を探すと言っても、水探しというのは大変でね・・・、
「いい水がある」と聞くといても立ってもいられず、
どんな山奥でも川底でも、
あちこち探し歩きましたね。
ひと口に水と言っても色々な種類があってね、
まず山の水と川の水とがある。
山の水でも、米山山系の水と妙高山系の水とでは水質が違う。
そして、川の水がある。
川底の下に流れている地下水を伏流水といいますが、
これはろ過をされて汚染されていない、とてもきれいな水なんです。
酒造りでは、鉱物成分や有機物が少ないことが大切です。そして、
硬度が適当な軟水であること。
色々試してみて、やっと自分の水を見つけた。
それが、「阿賀の伏流水が湧き出した清水」です。
極限まで米を削りに削って、「味と香りの芯」だけを取り出す
山川:「笹屋茂左衛門」は、米も特別に選んでいます。
酒米の王様「山田錦」、
そして新潟県が新潟の酒のために開発した「越淡麗」。
「越淡麗」は新品種の米ですが、数年使ってみて、
山田錦に匹敵する素晴らしい米だと確信しました。
その2種類の米を、精米歩合極限の38%まで米を削り磨き上げて、
米の芯の芯を取り出します。
つまり、62%は取り除いてしまうわけですから、
よい日本酒というのはなんとも贅沢なものですね。
精米歩合が50%以下のものが大吟醸酒ですが、
50%と38%の差は大きくて、
同じ大吟醸とは言っても酒の風味が全然違う。
38%まで削ると、味が本当にきれいで雑味がない。
甘みも軽い甘みだし、口のすべりがいいんです。
それに、「香り」は米そのものが芯のほうに持っている。
だから、きれいな酒を目指してとことん米を削っていくと、
上品な香りも出てくるわけです。
蔵に棲みつく家付きの酵母で、
「白龍ならではの味と香り」を熟成する
山川:「華やかな香り」があるというのも吟醸酒の条件です。
いわゆる「吟醸香」ですね。
ただ、米の香りだけではあの華やかな吟醸香は出ない。
果物のような香りは「酵母」が持っているんです。
酒を造る時に使う酵母は、試験所で培養した固定した品種です。
ところが、酒のモトの泡を取って顕微鏡で見ると、
その酵母の他に1〜2%は別な酵母がいる。
それが「家付きの酵母」です。
昔から蔵の梁や壁に棲みついている野生の酵母で
、これがその蔵の特徴を作っているんです。
試験所で培養した純粋な酵母は、香りが高くて味もいい、
人間の美人みたいなもんです。
でも美人薄命なんて言われますが、いまはよほど良くなったけれど、
昔は繁殖率が85%くらいだった。
それに比べると、蔵に何百年も息づいていて、
いつの間にか酒のモトに入ってきて繁殖している
野生の天然酵母はたくましいもんです。
同じ原料を使っても蔵によって酒の味が違うのは、
この「家付きの酵母」が違うからなんです。
白龍の創業は江戸時代の1839年(天保十年)ですから、
約170年以上もこの蔵に生き、
この蔵を守り続けている酵母がいます。
私ら杜氏にとっては、蔵の神様みたいなもんです。
この「家付きの酵母」の力を引き出してこそ、
酒のうまみがさらに際立ち、
「その蔵にしかできない味と香り」に熟成されていくんです。
こだわりを生かす酒造り60年の「玄人の勘」
山川: 私ら杜氏は「酒を造ってます」なんて言いますけれども、
実は、微生物をうまく働かせる「微生物利用工業」なんですよ。
米のでん粉をブドウ糖にするのは麹の役目、
ブドウ糖を酒に変えるのは酵母の役目なんです。
麹の酵素と酵母をうまく働かせて、
人間にはとてもできない分解をしてもらうわけですから、
その「目には見えない妙なる力」に感嘆しながら酒造りをしています。
ところが、新しい水を使うと、
蔵に棲みついている家付きの酵母が反乱を起こすんですよ。
彼らは蔵の水に適応して生き続けてきたわけですから、
水の質が大きく変わると最初は戸惑うんです。
でも、その声なき声に耳を傾けてうまくコントロールすると、
ちゃんと働いてくれる。
こんな時は、「今まさに生き物を育てているんだな」
という実感がありますね。
いや、むしろ麹菌や酵母菌に教えられながら、
酒造りをしているようなものですかな(笑)。
酒造りには科学ではまだ解明されていない部分がたくさんあって、
機械で味の良し悪しは測れない。
信じるのは自分の経験と勘だけです。
大量生産できない「100%」手作業
山川譲の「こだわり」と「玄人の勘」が最も発揮される
「笹屋茂左衛門」の造りは、
1月から3月までの厳冬期に行います。
造りが始まると、杜氏をはじめ蔵人たちは総出で作業に入ります。
造りは、「100%」手作業です。
水の冷たさも、米の重さも、その手に感じながら造っていきます。
38%まで高精白した米はもろく崩れやすいので優しく手で洗い、
米を運ぶ時も壊れないように布にくるんで肩に担いで運びます。
蒸した米を広げて冷ますのも、混ぜるのも、まとめるのも、全て蔵人の手で行い、
目が離せない麹造りは、蔵に泊まり込んで夜中もじっと見守り続けます。
機械を使って造る普通酒は一度に20,000リットル仕込みますが、
「笹屋茂左衛門」はその10分の1の量、
高さ約3mほどの約2,000リットルのタンクで造ります。
その量だからこそ、麹やモト、モロミの温度や濃度の調整が、
きめ細やかにできるのです。
時間も普通の酒の2倍の40日かかります。
酵母が発酵するのに最適な温度は27〜8度ですが、
普通酒は12〜3度で発酵させます。
しかし、「笹屋茂左衛門」は、さらに温度を下げて、
10度でやっとやっと発酵させます。
そうすると時間はかかる分、
雑味を出さないキレイな味を作ってくれるのです。
手間も時間もかかるから大量生産はできない。
でも、それだけに本当においしい酒ができあがります。
遂に完成!「特撰大吟醸 笹屋茂左衛門」
こうしてできあがったのがこの酒です。
山川譲がとことん水、米、酵母にこだわり、
60年の酒造りの経験による卓越した技術と勘を駆使し、
蔵人たち全員が一丸となって「100%手作業」で造った酒。
それが、この「特撰大吟醸 笹屋茂左衛門」なのです。
そして、そのうまさは世界にも認められ、
モンドセレクションで「14年連続して金賞を受賞」
している栄冠をさらに引き上げ、
6年連続(通算7回目)の「最高金賞」を受賞するまでになりました。