裁判例でみる「パブリシティ権」の争い(高橋岳雄・著)B5/199頁
著名人の「顔」や「名前」をめぐる権利である「パブリシティ権」を徹底解明する一冊!
「パブリシティ権」は法律に明文化されていないにもかかわらず、裁判例を通じて確立された権利である。著名人の肖像や氏名が持つ経済的価値を巡る攻防や、歴史に残る判例を詳細に解説する。
特に話題となった「ピンク・レディー事件」を中心に、裁判所がどのように「パブリシティ権」を定義し、どのような行為が侵害に該当するかを明らかにする。無断での広告利用、キャラクター商品への肖像使用、さらにはブロマイド販売まで――本書はこれらの具体的事例をもとに「権利」と「侵害」の境界線を明快に示すものである。
法律家、マーケター、ビジネスパーソンで、著名人の権利を正しく理解し、法的トラブルを未然に防ぎたいと思っている者にとって、本書は最適なガイドブックとなるだろう。
『目次』
まえがき
I 「最高裁判所」で判断された裁判例
1 「ピンク・レディー」事件
2 「ギャロップレーサー」事件
3 「顔真卿自書建中告身帖」事件
II 「パブリシティ権」が争われた裁判例
1 「タオル美術館」事件
2 「気迫の伝統武芸」事件
3 「タレント肖像写真掲載」事件
4 「ENRIKE」事件
5 「FEST VAINQUEUR」事件
6 「『艦隊これくしょん−艦これ−』ゲーム」事件
7 「バンドグループ名使用」事件
8 「芸名使用差止請求」事件
9 「映画上映禁止」事件
10 「電車の中吊り広告」事件
11 「FEST VAINQUEUR」仮処分事件
12 「ジル・スチュアート」事件(1)
13 「ジル・スチュアート」事件(2)
14 「遠隔診療」事件
15 「フィットネス」事件
16 「大勝軒」事件(1)
17 「大勝軒」事件(2)
18 「週刊実話」事件
19 「ジャニーズ・タレント」事件
20 「雑誌『ENJOY MAX』」事件
21 「テレビ番組『The・サンデー』」事件
22 「ヨン様」事件
23 「タレントショップ・我聞」事件(1)
24 「タレントショップ・我聞」事件(2)
25 「女優・美容外科」事件
26 「プロ野球ゲームソフト・プロ野球カード」事件
27 「セイン・カミュ」反訴事件
28 「ブブカスペシャル7」事件
29 「テレビ番組『ザ・スクープ』」事件
30 「@BUBUKA」事件
31 「ロック歌手・矢沢永吉」事件
32 「長島一茂の肖像掲載」事件
33 「片岡鶴太郎」事件
34 「山本寛齋」事件
35 「浅井コレクション」事件
36 「トップスピード」事件
37 「ダービースタリオン」事件
38 「ロックバンド・黒夢」事件
39 「聖母エヴァンゲリオン」事件
40 「プロサッカー選手」事件
41 「キング・クリムゾン」事件
42 「加勢大周」事件
43 「詩人・土井晩翠」事件
44 「おニャン子クラブ」事件
45 「光GENJI」事件
46 「藤岡 弘」事件
47 「中森明菜」仮処分事件(1)
48 「中森明菜」仮処分事件(2)
49 「おニャン子クラブ・グッズ」仮処分事件
50 「スティーヴ・マックイーン」事件
51 「王貞治」仮処分事件
52 「マーク・レスター」事件
III 「物のパブリシティ権」とされた裁判例
1 「かえでの木」事件
2 「クルーザー」事件
3 「長尾鷄」事件
4 「フットボール」事件
5 「広告用ガス気球」事件