わらつと 2本 詳しい納豆作りマニュアル付き

天然の菌で作る本物の納豆を手作りできる、稲わらで作られた「つと」です。

●原材料名:長野県産稲わら
●使用期限:残り4ヶ月以上
●製造者:合同会社わらむ



稲わらを使って納豆を作ってみた

大豆の煮豆を稲わらで保存していたら、糸を引いて美味しくなっていた‥
何ともロマンのある納豆の起源ですが、なにぶん身近に稲わらがないので、自分で試そうと思ったことはありませんでした。

ところが先日、稲わらを納豆用に加工した「わらつと」を作っている方から連絡をいただいたので、さっそく手に入れて作ってみました。


これが「わらつと」です。
原材料は長野県産の良質な稲わらで、なんと大相撲の土俵にも使われているそうです。

今回の作り方は以下のようになります。
1.大豆を戻す
2.大豆を茹でる
3.わらつとを煮沸する
4.わらつとで大豆を包む
5.保温して発酵させる
6.冷蔵庫で寝かせる

本当に稲わらだけで納豆ができるのでしょうか?結果が非常に楽しみです。


1.大豆を戻す

まずは大豆を洗って水を切り、大豆の3〜4倍量の水に漬けて戻します。
漬ける時間は一晩、または8時間以上と良く言いますが、新豆と古い豆ではかかる時間が結構違います。パンパンに膨らむまで待ちましょう。


わらつとに包める大豆の量は限られます。
僕の経験ではわらつと1本あたり乾燥大豆にして40gが限界でした。


2.大豆を茹でる

次は大豆を茹でます。圧力鍋で蓋をせずに一度茹でこぼしてから、ひたひたの水で15分くらい加圧して茹でて下さい。

圧力鍋がお手元にない場合は、普通の鍋で茹でて下さい。親指と小指でつまんで簡単に潰れるくらいの柔らかさが目安です。


圧力鍋は豆を煮る最大量が決まっていると思いますので、入れすぎないように注意して下さい。


3.わらつとを煮沸する

わらつとを消毒するために煮沸します。わらつと全体が浸かるようにして1分以上加熱して下さい。
煮沸によって雑菌はいなくなり、熱に強い納豆菌だけが生き残るという仕組みです。


わらつと全体が浸からない場合は、時々ひっくり返しながらまんべんなく煮沸して下さい。


4.わらつとで大豆を包む

いよいよ稲わらと大豆が出会います。
わらつとの輪ゴムを外すと、稲わらが半分だけ縛ってある状態になります。
縛ってある方に大豆を乗せて、バラバラになっている方で大豆を覆って下さい。


実は一番最初にマニュアルを読まないで作った時、バラバラになっている方に大豆を乗せて大失敗しました。


縛ってある方を舟形に押し広げます。余裕を持って乗せられるように、なるべく大きく広げて下さい。


乾燥大豆の時で40gくらいの量が、個人的にはわらつと1本に乗せられる限界でした。


バラバラになっている方で大豆を覆います。大豆を潰さないように、でもなるべく密着させるように包んだら、輪ゴムで留めます。


5.保温して発酵させる

わらつとを新聞紙で包み、さらにビニール袋に入れて保温します。
発酵には酸素が必要になるので、ビニール袋の口を閉じないようにして下さい。


発酵すると水分が発生します。新聞紙は余分な水分を吸収し、ビニール袋は湿度を保つ役割があります。


最近は新聞を取らない方も多いと思いますが、ペーパータオルなどを代用しても大丈夫です。

40〜45℃を保てる環境下(こたつなど)に24時間おいて発酵させます。
発泡スチロールにお湯を入れたペットボトルと一緒に入れたり、毛布で湯たんぽと一緒に包むなどして保温する場合は、温度が下がっていないか時々様子を見て下さい。
温度管理できる保温器(ヨーグルトメーカーなど)を使うと便利です。


ヨーグルトメーカーなら、温度も時間も任せられるので安心ですね。


6.冷蔵庫で寝かせる

わらつとを少し開いて大豆の様子を見てみて下さい。白っぽくなって糸を引いていたら成功です。


本当に稲わらだけで納豆が出来てしまいました。天然の納豆菌パワー恐るべし‥

発酵を止めて味を落ち着かせるため、新聞紙に包み直して冷蔵庫で1日以上寝かせて下さい。日数が経つほど熟成が進んで風味が増します。


長く寝かせる場合はビニール袋に入れるなどして乾燥を防ぎ、20日までを目安にして下さい。


実食

では実際に食べてみましょう。
わらつとを開くと、ギッチリ詰まった納豆が姿を現します。バラバラとこぼれ落ちることはありません。


割れたり潰れた粒が混ざっているところが手作り感満載ですね。

一粒つまんで食べてみると、市販の納豆と違ってすっきりした味。大粒なためか粘りもそれほど強くありません。
そしてふわっと広がる稲わらの香り。思わぬ偶然が生んだ納豆の誕生に想いを馳せる瞬間です。


納豆の匂いが苦手な人も、これならいけるんじゃないでしょうか。

本当に稲わらだけで納豆が出来てしまいました。
この感動をみなさんにも体感していただきたい。夏休みの自由研究にも良さそうですね。

熟成時間や大豆の種類を変えて、色々と試してみたいと思います。


時間をかけて作った納豆を、ごはんに盛って一気に掻き込む。何とも贅沢な一杯です。