北海道炭礦汽船 夕張鉱業所 追憶の開発史 −北炭夕張炭鉱 崩壊の原点を求めて− いたや 本・書籍

夕張と言えば、現在はメロンの産地であるイメージが強いが、かつては炭鉱によって栄えた街であった。
その中でも夕張市の中心部に位置し、年産100万トンを優に超える出炭量を叩き出していた会社があった。
北海道炭礦汽船株式会社 夕張鉱業所。
通称「北炭夕張炭鉱」とも呼ばれ、夕張市で隆盛を誇っていた鉱業所である。
ただし、北炭夕張炭鉱は1981年10月16日に発生した夕張新炭鉱ガス突出事故を起因に閉山し、現在は夕張市石炭博物館がその輝かしい功績の数々を今に伝える施設となっている。

本書は、閉山から40年余りを迎えた夕張新炭鉱と同社のガス突出事故を皮切りに、北海道炭礦汽船株式会社の開発失敗の歴史を解説するものである。
北炭夕張炭鉱の歴史に触れ、知識として活用して頂けたら幸いである。
夕張新炭鉱ガス突出事故が発生することとなった原因は保安軽視とされているが、当時の書籍やメディア等ではメタンガス突出の多い夕張新炭鉱の位置を開発することになった理由があまり記されておらず、ゼロから開発した夕張新炭鉱の前の問題についてはスルーされていることが多い。
「なぜ夕張新炭鉱がこの場所を開発することになったのか」
「別の鉱業所の失敗が遠因となっているのではないか」
というものに焦点を当てた時、同社が抱えていた問題が見えてきた。

大まかな内容としては以下を収録しております。

・本編
夕張新炭鉱の開発
幌内炭鉱 ガス爆発事故
夕張新炭鉱 ガス突出事故
<調査報告書>夕張新炭鉱の実態について
夕張新炭鉱の次に誕生した夕張新第二炭鉱(夕張新二鉱)
幻に消えた清水沢南部開発計画(清水沢新鉱開発計画)
未完成の新炭鉱 鹿ノ谷新鉱計画
夕張第二鉱 夕張中央立坑
夕張中央立坑開さく工事記録(40・12)
夕張第二鉱 奥部竪坑
奥部竪坑を解読する

・北海道炭礦汽船株式会社 小ネタ集
北海道炭礦汽船株式会社 夕張第二鉱 大井竪坑
影武者の大新竪坑
夕張鉄道株式会社 高松岐線(高松専用線)
北海道炭礦汽船株式会社 夕張鉱業所 高松斜坑・電車線
石狩石炭株式会社 新夕張鉱(第一鉱)・若鍋鉱(第二鉱)・南鉱(第三鉱)
北海道炭礦汽船 幌内鉱業所 養老竪坑と那智竪坑
未成の新鉱 三笠山炭礦(三笠山竪坑計画)
夕張鉄道の技師が手掛けた天塩鉄道線
天塩鉄道 鉄道建設の経緯と開業まで
北海道炭礦汽船株式会社 留萌鉱業所と天鹽炭礦専用線
真谷地の神様(故 松田芳明氏)へのインタビュー
あとがき

出版社:NextPublishing Authors Press
発売日:2023/5/11
136ページ

※この本はオンデマンドで作成・印刷されています。