「砲兵」から見た世界大戦 機動戦は戦いを変えたか 古峰文三 本・書籍

気鋭の戦史研究家が、新視点から描いた画期的な陸戦論!

世界大戦というと、戦車や戦闘機、またそれを用いた電撃戦などが有名です。
しかし、二つの大戦の勝敗を決定づけたのはそれら花形兵器ではなく、地味な存在の砲兵でした。

砲兵戦術の視点から、二つの大戦で、戦い方がどのように変わっていったかを解説していきます。
陸戦戦術の流れが分かり、その中で“変わらなかった戦術の本質が何だったのか"も見えてくるはずです。

全152ページ
※この本はオンデマンドで印刷・作成されています。
■「まえがき」

映画やドラマでは砲兵は見えない存在です。その場に姿を見せることなく何処からともなく砲弾が飛んで来て炸裂する、あたかも自然現象のように扱われることも多い影の存在ですが、20世紀の戦争はその砲兵による火力戦が勝敗を左右しています。
たとえば陰鬱な膠着戦と人命の犠牲ですべて灰色に見えてしまう第一次世界大戦の西部戦線も、砲兵の視点から眺めると目鼻のある変化のわかる存在へと変わって来ることでしょう。
19世紀後半から20世紀後半までの間に、戦争の様相はどう変わっていったのか、そして何が変わらなかったのかも見えてきます。
そこで近代砲兵が何に悩み、何を考えてどのように発達していったのかをできるだけ分かりやすくまとめてみました。
出版社にはあまり好まれない「ですます」調の話し言葉で書いた理由もそこにあります。
学術論文とは違う「読み物」としての近代砲兵史を楽しんでいただければ幸いです。

※改訂版……2018年3月31日 ご意見を参考にさせていただき、「より楽しみたい方への読書ガイド」を追加しました。