絶唱 DVD 山口百恵 三浦友和 出演 映画
ハイビジョンリマスター作品
『伊豆の踊子』('74年12月封切)、『潮騒』('75年4月封切)に続く、山口百恵文芸シリーズ第3弾!
前2作同様、山口百恵'三浦友和のコンビが、息の合った演技を見せてくれます。
封建的身分制度が強く残る山陰地方を舞台に、大地主の息子と山の番人の娘との悲恋を描いた大江賢次の原作は、これまでにも2度映画化され('58年、小林旭'浅丘ルリ子、'66年、舟木一夫'和泉雅子)好評を博した名作。
文芸シリーズ前2作で安定した力を見せた西河克己監督が、'66年の『絶唱』に引き続き、この作品2度目の演出に当たっています。
出演: 山口百恵, 三浦友和, 辰巳柳太郎, 大坂志郎
監督: 西河克己
脚本: 西河克己
製作者: 堀威夫, 笹井英男
ストーリー
山陰地方で園田家といえば、山園田といわれる程に名の通った大地主だった。
その一人息子・順吉は、山の番人の娘・小雪を愛していた。
京都の大学の休暇で帰省したときに順吉は、小雪のことで父'惣兵衛と激しく口論した。
父は、町の実業家の令嬢'美保子との結婚を強いるのだった。
順吉が京都に帰ると、惣兵衛に因果をふくめられた小雪は、他国の親戚にあずけられた。
小雪に会いに帰ってきてそのことを知った順吉は、小雪を捜し出し、駆け落ちした。
順吉には、山園田の富よりも、小雪ひとりの方がかけがえがなかった。
穴道湖のほとりの経師屋の2階が、ふたりの愛の巣になった。
順吉は材木運びなどをして働いた。
しかし、戦争が激しくなり、順吉にも召集令状がきた。
壮行会の日、小雪が歌った山の木挽歌を、どこにいても毎日、きめた時間にふたりで歌おうと約束して、順吉は戦地へ向かった。
戦争はいよいよ激化し、いつしか順吉からの便りも絶えた。
ふたりで約束した歌を歌うことだけが、小雪の心の支えだった。
――戦争は終わった。小雪は結核で倒れたが、木挽歌を歌うことだけは欠かさなかった。
惣兵衛が急死し、ようやく両親と会うことを許された小雪。
しかし、彼女の体力も、もう限界にきていた。
「ああ、あの人の足音が聞こえる……ああ、山へ帰りたや……」小雪がこうつぶやいて死んだその日、順吉が復員してきた。
慟哭する順吉。葬る前に、せめて山へ帰って結婚式をしてやりたいと順吉は切望した。
花嫁が花婿に抱かれて園田家に着いた。
村人たちは嫁入り歌で迎えた。
式が終ると、順吉はそっと小雪の体を抱いたまま木挽歌をうたった。
それに和して歌うように、どこからか小雪の声が聞こえてくるように順吉には思えた。