Ortofon オルトフォン Concorde Music Red MMカートリッジ Made in Denmark

Concorde Musicシリーズのエントリーモデルながらスタイラスチップには高性能な楕円針を、そしてコイル巻線には上位モデルと共通の銀メッキ高純度銅線を採用しており、この価格帯のMM型Hi-Fi用カートリッジとしては非常にコストパフォーマンスに優れたモデルとなっています。エネルギッシュかつホットな音色でありながら銀メッキ線由来のほど良い煌びやかさをもった高音域を特徴とし、オルトフォンの理想とするサウンドを存分にご堪能頂けるカートリッジです。

●出力電圧 (1kHz, 5cm/sec.): 6mV ●チャンネルバランス (1kHz): 1.5dB ●チャンネルセパレーション (1kHz): 22dB ●チャンネルセパレーション (15kHz): 15dB ●周波数特性 (20Hz-20,000Hz): +3/-1dB ●トラッキングアビリティー(315Hz、適正針圧下): 80μm ●水平コンプライアンス: 15μm/mN ●スタイラスタイプ: Elliptical ●スタイラスチップ半径: r/R 8/18μm ●カンチレバー素材: アルミニウム ●適正針圧: 1.8g ●トラッキング角度: 20° ●内部インピーダンス: 1.27kΩ ●内部インダクタンス: 815mH ●推奨負荷インピーダンス: 47kΩ ●推奨負荷容量値: 150-300pF  ●自重: 18g
I.上位グレードに統一された、全機種共通の一体型ボディ精悍なマットブラックを纏ったConcorde Musicシリーズのボディは、最上位のBlackからエントリーモデルのRedに至るまで全て共通です。これはシリーズ各機種のスタイラス(交換針)が互換性を持ち、これを挿し換えることで容易にアップグレード可能であることを意味しています。そして本シリーズのボディ側先端にあるスタイラス装着部分には、意図的な着脱時以外には抜け止めとして機能するロック機構が設けられています。旧シリーズには存在しなかったこの画期的な機構は、単にロックとして機能するだけではなく、スタイラスが定位置に装着されたと認識できることも目標として開発されています。そのため、既に装着されているスタイラスを抜き取り、別のスタイラスを装着すると「パチッ」というクリック音を生じさせます。これにより、機構上とフィーリング双方でのスタイラスの確実な装着を実現しています。さらに、旧Concordeシリーズでは一体成型となっており、折損時の修理が不可能であったフィンガー(指かけ)部分は、交換用の機構が新たに設けられたことで差し換え可能となりました。 そしてボディ内部にはオルトフォンが誇る独自のMM型用磁気回路が備えられ、4本のスプリット・ポールピン(Sprit Pole Pins)に巻かれたコイル巻線は全ての機種で銀メッキ高純度銅線を採用しています。これまで、オルトフォンのMM型カートリッジでは2M Black LVB 250などの上位モデルにのみこの線材が用いられてきましたが、Concorde Musicシリーズでは敢えてコスト面を無視し、Red・Blueも含めた全機種での採用に踏み切りました。ちなみに、Musicを含むConcordeシリーズはテーパー(先細り)型のヘッドシェル一体構造を特徴としています。一般的なカートリッジは機構の都合上、ヘッドシェル先端側に取り付けられており、動作時の重心位置が先端側に寄ることを避けられません。そのため、トーンアームの軸中心位置からカートリッジ先端方向をみた際の実効質量(この場合、カートリッジを含むアーム可動部分の質量)がカートリッジ先端側で増大し、(テーパー型と比較すると)トーンアームの感度や動作速度に差が生じます。しかし、Concordeシリーズのテーパー型かつヘッドシェル一体のボディは、カートリッジ先端および針先部分の質量が最小となり、逆にヘッドシェル後端側に寄るにつれて質量を増大させてゆきます。更にはユニバーサル型シェルコネクターと一体となった本体基部の存在により、重心位置は完全にシェル後端側に寄せられています。そのため、Concordeシリーズはアームの動作時にカートリッジ起因の動作遅れを生じさせることなく、ただ「正確」に音声信号をピックアップすることができます。またこのテーパー形状はカートリッジボディに存在する不要な体積を極限まで減らすことにも貢献しており、結果として動作時に生じうる不要共振が再生音に付与されづらいという効果もあります。そして不要共振の徹底した排除を目指した結果、新たなConcordeシリーズのボディ組立にあたっては超音波接合によって各部品を結合させる最先端の方式を採用しました。これにより、ボディとは異種素材である接着剤を排することで不要共振の発生を防ぎ、同一素材で構成されたモノコックボディという理想的な状況を実現しています。Concordeシリーズの流麗かつスマートなボディは、「accuracy in sound」というオルトフォンの理念をただ実直に、ありのままに具現化したものです。II.完全新規開発された、Concorde Musicシリーズ専用ダンパーダンパーは、オルトフォンがカートリッジの生命線として極めて重視しているパーツです。いかにピックアップ能力に優れたスタイラスや、伝達速度に優れたカンチレバーを使用したモデルであっても、その振動系(スタイラスチップ、カンチレバー、コイルあるいはマグネットなどの可動部分)の支持と制動を司るのはダンパーです。オルトフォンは、自社カートリッジの全てのダンパーをデンマークの本社工場内に設けたダンパー専用ラボラトリーで開発・生産しています。もちろんConcorde Musicシリーズのダンパーも同様で、開発時には直近の2M Black LVB 250やConcorde MkII Eliteから得られた知見の全てが投入されました。また先に述べた通り、Concordの重心位置は一般のカートリッジと異なるという点も考慮され、本シリーズのダンパーはこれまでの2Mシリーズのものとも異なる専用の完全新規仕様として誕生しています。