小川未明の童話 全705話を朗読で収録しています。 小川未明は数多くの作品を残していることから、「日本のアンデルセン」「日本児童文学の父」と称されています。 生まれは1882年(明治15年)、新潟県高田(現上越市)。坪内逍遙などから学び、後に逍遥から「未明」の号を授かります。 1961年(昭和36年)、享79歳で没。没後は上越市により新人発掘のコンクール、小川未明文学賞が創設されています。
小川未明の作品は明治~昭和にかけての当時の日本の生活、子ども達の暮らしなどが物語を通して感じることができ、日本の歩みを子どもたちに教えることができます。 そして、小川未明の作品の中には戦時中の背景が描かれているものあります。 今、語り継がれることの少ない戦時中の経験を物語でわかりやすく子どもたちに 伝えられます。 物語の中には社会批判、人間の悪しき心が垣間見られ、善悪の判断がつかない子供たちへの正しい道筋となる作品もあります。 美しい文章で語られる未明の世界をご堪能下さい。
<仕様> オーディオブックCD
■品番:9784775984925 ■JAN:9784775984925 ■発売日:2017.10.14 出版社 : でじじ発行/パンローリング発売 言語 : 日本語 |
<収録内容>
「赤いろうそくと人魚」
冷たい暗い海に住んでいた人魚が、自分の子を産み落とす場所を人間の住む街に選びます。子供と別れるのは寂しいが、人魚と同じところで暮らして子供を悲しい思いにさせたくないと思ったからです。子供は蝋燭屋を営んでいる老夫婦に拾われ、やがて美しい娘に成長しました。娘が蝋燭に赤い絵の具で描いた絵は美しく、その蝋燭と共に漁に出ると転覆しないという評判が出て、蝋燭屋は繁盛します。その評判を聞いた香具師が娘を買いたいと申し出ます。お金に目をくらんだ老夫婦は娘を売ってしまいます。その晩、不気味な女が現れ真っ赤なろうそくを買っていきます。すると、突然海は荒れ、老夫婦は……。
「月夜と眼鏡」
おだやかな、月のいい晩におばあさんは一人で、針仕事をしていました。すると、眼鏡売りがおばあさんの家に来て、眼鏡を売りに来ました。よく見える眼鏡でしたので、おばあさんは喜んで買いました。
その日の随分遅くなった頃に、また訪れる者がいました。なんと、美しい少女が訪ねてきたのです。その少女は指を怪我したので手当をして欲しいと……。
「金の輪」
太郎は長い間、病気で寝ていましたがようやく床から出られるようになりました。しかし、三月末でまだ朝晩寒いために、日の当たる昼間は外へ出られましたが、晩になると家に入るようにと言われていました。 ある日、太郎は外に出ましたが誰も友達は遊んでいません。太郎はしょんぼりとして、家の目に立っていました。すると、金の輪が触れ合う音がし、一人の少年が二つの金の輪をまわしながら走ってきました。太郎にはまったく見覚えのな い少年でしたが、少年は太郎に微笑しました。それは知り合いの友達にするようであり懐かしげに見えました。 次の日の午後、また太郎は外へ出てみると、昨日と同じ時刻にあの少年が二つの金の輪をまわして走ってきました。そして、昨日よりもいっそう懐かしげに微笑み、なにかいいたげな様子でした。その晩、太郎は二日も同じ時刻に金の輪を まわした少年を見たことを母親に話しましたが信じてもらえませんでした。太郎は少年と友達になり、金の輪を一つ分けてもらい、どこまでも走って行く夢をみました。 明くる日から太郎は熱が出て、太郎の病気は……。

登録日:2021-02-02