児童文学の父であり、日本のアンデルセンと呼ばれる小川未明の童話「雪原の少年」、「村の兄弟」など全31話を朗読で収録しています。 小川未明と聞いてピントくる人は少ないのではないでしょうか? 小川未明は数多くの作品を残していることから、「日本のアンデルセン」、日本児童文学の父」と称されています。生まれは1882年(明治15年)、新潟県高田(現上越市)。坪内逍遙などから学び、後に逍遥から「未明」の号を授かります。1961年(昭和36年)、享79歳で没。没後は上越市により新人発掘のコンクール、小川未明文学賞が創設されています。 小川未明の作品は明治~昭和にかけての当時の日本の生活、子ども達の暮らしなどが物語を通して感じることができ、日本の歩みを子どもたちに教えることができます。 そして、小川未明の作品の中には戦時中の背景が描かれているものあります。 今、語り継がれることの少ない戦時中の経験を物語でわかりやすく子どもたちに 伝えられます。物語の中には社会批判、人間の悪しき心が垣間見られ、善悪の判断がつかない子供たちへの正しい道筋となる作品もあります。美しい文章で語られる未明の世界をご堪能下さい。 12巻に収録 「雪原の少年」 おばあさんに育てられている正二という少年が独り雪の上に立って考えていました。彼は幼い頃、母親に捨てられたのでした。母親が生きているか死んでいるかわからないが、生きていたら会いたいといつも想っているのでした。 正二は血のつながりはないがやさしいおばあさんに育てられ、仲の良い友達の行子と銀太、ブリキ屋を営んでいる松公などにあたたかく見守られていました。 正二は乞食の子を心配したり、いじめられてる子にやさしく接するなど真っ直ぐな性格で、将来は果物を栽培したり、画を画いたりこのまま田舎で暮らしたいと思っていました。 ある日、松公は村から二里も隔たった古い寺で紙芝居の仕事をしていました。そこで正二のことである捨て子の話をしていると、そっくりの話をある娘から聞いたことがあると女が歩み寄りました。なんでもその娘は弟を探しているそうで、ここから近いので娘のところまで案内をしてもうらうことになりました。娘に会い、捨てられた場所、状況が正二と同じことがわかり、兄弟だということがわかりました。 夏のある日、老医が急いで松公の家の前を通りすぎ、正二の具合が悪くなったと知った松公は悪い予感がし、正二の家へ駆けつけました。老医は手のつくしようがない、まだ命ある間に会わせる人はいないかと最後の宣告をしました。松公は自転車に乗ってひた走りに、正二の姉のいる村へ走りました。彼が姉を連れてきた時、正二は・・・。 <仕様> オーディオブックCD ■品番:9784775984444 ■JAN:9784775984444 ■発売元:でじじ発行/パンローリング発売 ■発売日:2017.05.13 |