親から子、孫へと読み継がれてきた名作絵本。
子どもが見ても大人が見ても美しいひらがなの絵本を、という思いから生まれた、戸田デザイン研究室の『あいうえおえほん』。
1982年につくられて以来、親から子、そして孫へと多くの方々に読み継がれてきた名作です。
ベストセラーにして戸田デザイン研究室の原点、とも言える作品。
この絵本で使われているひらがなは、すべて戸田デザイン研究室のオリジナル書体。
50音を一文字ずつ丹念にデザインしていき完成させた作者のオリジナルのフォントです。
形の美しさを表現するため極限までシンプルにした絵、配色の美しさを追求した色彩、ひらがなの持つ美しさを伝えるため全てをデザインした文字。
デザイン・編集には、たくさんのこだわりと考えが詰まった一冊です。
絵本のためにデザインしたオリジナル書体。
ページいっぱいに大きく記されたひらがなは、制作当時の1980年頃から増えていくであろう横書きを想定し、横の膨らみ・流れを意識したデザインで、ひらがなの美しさを表現しています。
書き順をわかりやすく表示した文字も、この本のためにデザインされたオリジナルの書体です。
国語の教科書に使われている、いわゆる“教科書体”は毛筆を元にした毛筆体。
これを手本に子どもたちが鉛筆などの硬筆で書こうとすると、「トメ・ハネ」で必ず迷うことになる。
そこで、毛筆を硬筆で書いた場合にしっかりと書く「ハネ・トメ」と、書かなくて良い「ハネ・トメ」を明快に区別しデザインしたのが、このオリジナル硬筆標準書体なのです。
これには、一文字ずつ当時の文部省に確認をとりながらデザインしていくという、大変な手間と時間がかかっています。
シンプルな絵とデザイン。
描かれる対象をわかりやすく・美しく表現する一本の線を求め、可能な限りシンプルに。
色彩も鮮やかで美しいけれど、刺激的ではない。
穏やかな気持ちで子どもたちが見ることができる色、配色を追求しています。
本の紙質は落ち着いた発色になる紙にこだわり、ちょっと黄色みを帯びた、懐かしい感じの紙を使っています。
そして23.5×23.5cm の正方形の判型、シンプルを極めた美しい装丁も戸田デザイン研究室さんのこだわり。
表紙に絵がないのはインテリアとしてリビングに置かれてもステキな絵本であるため。
シンプルで美しくデザインされています。
見開きページにひとつの文字とひとつの絵という構成は、子どもたちに文字と絵のイメージを繋げやすくします。
50音順にも、ひと工夫。
ふつうはワ行は「わ・い・う・え・を・ん」の順。
でも「を」は現在では名詞には使われずに助詞としてのみ使う、他の50 音とは明らかに性質の違うもの。
子どもたちの頭が混乱しないよう整理して「わ・い・う・え・ん・を」の順に並べる説を採用しています。
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【戸田デザイン研究室】
30年以上にわたり、知育絵本や木のおもちゃを作っている『モノ作り集団』。
デザイナーのとだこうしろうさんが『あいうえおえほん』を出版したことから始まりました。
デザインを見て好奇心や想像力をかきたてる、人の心を動かすデザインを届けたい、そんな願いを込めた作品を作り続けています。
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